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ジェンダー平等目指す国際会議GEF開催
「少女は政治的な存在だ」

山口慧子|2021年7月16日8:11PM

UN Women(国連女性機関)がジェンダー平等と全ての女性・少女のエンパワメントを実現するために主催する「平等を目指す全ての世代のためのフォーラム(GEF)」が6月30日~7月3日、フランス・パリで開催された。メキシコ・フランス政府が共催し、オンラインで約5万人が参加した。

開会式に登壇したマクロン仏大統領は「世界中で保守政治や宗教的原理主義により女性の権利が後退している」とし、協力して権利を推進させる重要性を指摘。カマラ・ハリス米副大統領は「女性が資金を得て小さな事業を始める時、性と生殖に関するケアを受け健康でいられる時、暴力を受ける不安から解放される時、女性はもっと深い意味で政治に参加でき、民主主義は強くなる」と発言した。

チリの若者代表、フリエタ・マルティネス氏(右)とヒラリー・クリントン米元国務長官(左)が対談で登壇した。(UN Womenホームページより)

GEFの特徴の一つは、各国政府や市民団体だけでなく、民間企業や慈善団体も多く参加すること。若者世代の参加者も多く、代表者も積極的に発言。フリエタ・マルティネス氏(チリ)は「少女は政治的な存在だと認識されるべき。写真撮影や感動的なスピーチのためだけに招くのではなく、意思決定に参加させるべきだ。私たちは持続可能な未来と現在を作るために戦わなければならない」と、若者の意見を政治に反映することの重要性を強調した。

GEFは今回、400億米ドルの拠出金を確保し、各国政府によるジェンダー平等推進のための法整備も誓約された。日本政府は「ジェンダーに基づく暴力」と「女性・平和・安全保障」のグループへの参加を表明。前者に1400万米ドルの資金援助を約束した。

全体では計1100超の公約が結ばれ、成果があったと言えるが、課題はその公約が5年以内に果たされるかどうかである。また、400億ドルが適切に使われるかどうかも注視が必要だ。

(山口慧子・日本YWCA幹事、2021年7月16日号)

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