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台東区「山谷」で野宿者らへのワクチン接種相談会

西中誠一郎|2021年7月2日5:27PM

「コロナワクチン接種」相談会のチラシを手にする向井宏一郎さん(左)。(撮影/西中誠一郎)

新型コロナウイルス感染症対策のワクチン接種が急ピッチで進む中、職場や大学での接種、64歳以下の接種も各地方自治体で始まっている。そんなワクチン接種から取り残されてきたのが、住民登録していない人々の存在だ。

日雇い労働者や行き場をなくした失業者、路上生活者、さまざまな事情から在留資格を失い「仮放免」状態にある非正規滞在外国人などである。彼らには保健所から直接「ワクチン接種券」が届かない。だが感染症対策には住民票や在留資格の有無は関係ない。むしろ生活困窮し、日常的に医療へのアクセスが難しい人々ほど対策が必要ではないか。

厚生労働省も今年3月末に「入管法等の規定により本邦に在留することができる外国人以外の在留外国人に対する新型コロナウイルス感染症に係る予防接種について」、4月末には「ホームレス等への新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の周知等について」という通知を各都道府県宛に出し、その中で具体的な事務取扱事項や、留意してほしい点を列挙している。

その進捗状況はどうなっているのか、東京都台東区の「山谷」(東浅草、日本堤、清川付近)で現場を取材した。かつて日雇い労働者の「寄せ場」として発展し、1・65平方キロメートルの狭い路地に多くの「簡易宿泊所」(ドヤ)や飲み屋などが軒を連ねている。ただし近年ではドヤ宿泊者の平均年齢は67・2歳に達し、約9割が生活保護を受給している(公益財団法人城北労働・福祉センターの2021年度事業案内より)。

その中には台東区に住民票がない人も少なくない。また山谷や周辺地域の野宿者は年々減少しているが、約120人が路上生活をしている。そうした状況を受けて、野宿者や日雇い労働者の支援を行なってきた「山谷労働者福祉会館活動委員会」は、昨年4月から城北労働・福祉センター前で週2回から6回、炊き出しを続けるとともに労働・医療相談などを行なってきた。

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