考えるタネがここにある

週刊金曜日オンライン

  • YouTube
  • Twitter
  • Facebook

【タグ】

元SEALDsメンバーへのネット中傷に賠償命令 
東京地裁

小川たまか|2021年6月21日2:36PM

【被告は判決後も中傷投稿】

原告代理人の小倉秀夫弁護士は今回の判決について「SEALDsの活動が第三者からお金をもらっていたのでは? とする投稿に対しても名誉毀損が認められた」と述べたほか、投稿で使われた「人工芝」という言葉(一見草の根の活動に見えるが実は誰かからお金をもらっている、という意味)についても名誉毀損だと認められたことを評価。しかし一方で「悪質だと認められた割には慰謝料が低い」との問題点も示した。

同じく代理人の神原元弁護士も、当時大学生だった原告への慰謝料がプロ野球選手などの著名人への金額と比べて低いのは「やむをえないかもしれない」としつつ、「(原告の)将来を摘み取られている側面もある。今後の誹謗中傷裁判の流れを変えていきたい」と控訴の意向を示した。

福田さんらへの誹謗中傷は多数にのぼり、訴訟対象となったのはごく一部。これ以外にも「クソフェミ」「レイプしたい」など性差別的な内容を含むものもあった。「物言う若い女を黙らせるためだけに投稿された」と感じたという福田さんはストレスで倒れ点滴を打っていたこともあり、一時期は海外に拠点を移していた。

判決後の記者会見で福田さんは「より良き社会を求めて声を上げ、行動するという、民主主義の国においては当たり前なはずの行動を取る者が異端視される日本社会の現状」を指摘。大量の誹謗中傷に晒され続けた6年間で自身は「とても強くなった」としながらも「強くならなくたって、苦しまなくたって生きていける社会を希求します。判決がそのきっかけの一つになれば」と訴えた。

また、声を上げることを躊躇する若者へのメッセージを求められ、「社会はあなたが生きているうちに変わらないかもしれないけど、大事なのはあなたが変化の一部になろうとしたかどうか。真摯である限り、無責任に投げられた空っぽの言葉に負けることはない」と力を込めた。

被告女性は判決後もツイッターで「つっこんだ人に当たるだけで100万もGETできる」と投稿するなど、判決への批判や福田さんへの言及を続けている。

(小川たまか・ライター、2021年6月11日号)

 

【タグ】

●この記事をシェアする

  • facebook
  • twitter
  • Hatena
  • google+
  • Line

電子版をアプリで読む

  • Download on the App Store
  • Google Playで手に入れよう

金曜日ちゃんねる

おすすめ書籍

書影

黒沼ユリ子の「おんじゅく日記」

ヴァイオリンの家から

黒沼ユリ子

発売日:2022/12/06

定価:1000円+税

書影

エシカルに暮らすための12条 地球市民として生きる知恵

古沢広祐(ふるさわ・こうゆう)

発売日:2019/07/29

上へ