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森友問題で財務省が「赤木ファイル」提出へ 
「黒塗りだらけ」に警戒

粟野仁雄|2021年5月28日1:22PM

大阪市内で会見する生越照幸弁護士(右)と松丸正弁護士。(撮影/粟野仁雄)

森友学園問題で公文書改竄を強いられたことを苦に自殺した赤木俊夫さん(元近畿財務局職員、当時54歳)の妻・雅子さんが財務省と佐川宣寿元理財局長に計1億1200万円の損害賠償を求めた裁判(大阪地裁)が動いた。

改竄経緯を赤木さんが書き残したメモ(赤木ファイル)について財務省はこれまで存否も明らかにしなかったが、5月6日になって「存在する」と回答。次回期日の6月23日までに同地裁に提出するとした。大阪市内で会見した原告代理人の生越照幸弁護士は「8割がた『ありましたけど捨てました』などと言ってくるかと思っていたので少し拍子抜けした」と評価しつつ「どこかに眠っていたなどということはあり得ない」と指摘する。

「赤木ファイル」には同学園の小学校建設のための国有地売却における大幅値引きの経緯について、安倍晋三首相(当時)の妻・昭恵さんの名が公文書から削られたりした経緯が詳細に書かれているとされる。これまでの財務省による回答拒否の言い分は裁判では「争点に関係がない」、国会では「裁判に影響する」という、互いに矛盾したものだった。それを一転して今回存在を認めた背景には、雅子さんが2月に文書の提出命令を大阪地裁に申し立て、裁判長が国側に提出を促したことがある。麻生太郎財務相は「訴訟指揮に委ねる」と国会答弁していた。

回答文書で同省はプライバシー保護や取材殺到の恐れを理由にファイル上の固有名詞などへのマスキングの必要性を明記しており、実際にどこまで「黒塗り」せずに出してくるかが焦点だ。原告側は赤木さんが受けた精神的苦痛の証拠として赤木ファイルを重視しており、生越弁護士は「固有名詞がみんな伏せられてしまったりしたら、証人申請もできなくなる」と警戒する。この日、会見に現れなかった雅子さんは民放の取材に「夫に改竄を促した人の名前はちゃんと出してほしい」と話している。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、2021年5月14日号)

 

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