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コロナ禍のいま求められる金融政策とは

浜矩子|2021年5月4日3:43PM

財政政策は、いずれの国でも基本的に大盤振る舞い状態が続いている。米国のバイデン新政権は、これから巨大な内需喚起策と家計支援策を打ち出そうとしている。中国では、他地域に先駆けて景気回復が進行中だ。この中国需要に煽られて、サプライチェーンの川上から川中段階で基礎物資の価格上昇がうごめき始めている。

こうした状況が、さまざまな経済反応を引き出している。あちこちで金利が上がり出す。為替関係がドル高にシフトする。米国をはじめとする先進諸国に向かって、発展途上国から資金が流出し始めている。

こうなってくると、金融政策は悩ましい。財政が大盤振る舞いモードにあり、民需もそれなりに動き始めている。このようなケースでは、本来なら、金融政策は回復が過熱に転化しないよう、少々、引き締め気味のスタンスを取りつつ、牽制役として、経済活動の均衡保持に努めるべきところだ。これぞ、財政と金融の絶妙なポリシーミックスだ。

新型コロナが襲来するまでは、この絶妙なポリシーミックスに出番がなかった。国々の財政がおしなべて危機的な状況にあり、動きが取れなかった。そこで、金融政策が「非伝統的」すなわち非正統的な手法で事実上の財政肩代わり役を演じざるを得なかった。

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