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「入管法改正案」は廃案に!──まずは死亡事件解明のためのビデオ開示を

階猛×中島岳志|2021年4月28日5:41PM

 安倍政権は、「日本維新の会」を野党の分割統治のために利用していたようにみえます。入管もそういうやり方で、難民支援の輪を分断し、弱め、在留資格のない外国人を追い出しやすい構造を作ろうとしている。

法務省は入管法改正にあたって、仮放免などの制度をあらためて、監理措置制度を新設し、これからは「全件収容主義」(退去強制=国外退去=事由に該当するとみられる人や、退去強制令書が発布された人をみな収容する)ではなくなりますなどと説明していますが、まったく信用なりません。

中島 日本の現在の難民認定制度の問題としてはまず、政治難民に一貫して厳しいという問題を考える必要があると思います。政治難民とは、例えばミャンマー(ビルマ)、ウイグル、ビルマの人たちです。政治難民をしっかり受け入れるということは、民主主義が機能していることの現れでもあり、僕は、政治難民はとても重要な制度だと思っています。

いかに抑圧的な国家があっても、外に逃げれば人権や自由が担保されるということがあるがゆえに、国内で声を上げることができたりするわけですよね。僕が世界連邦に反対なのは、政治的外部がないので、そこが独裁政権になると逃げられなくなってしまうからです。ですから政治難民の受け入れは民主主義国としての義務だと思うのですが、日本は一貫してそれが果たされていない。

むしろ日本政府は、相手国との関係性において、政治難民に対して非常に厳しい仕打ちをしてきました。例えば、トルコ出身のクルド人に対してはトルコとの関係を重視するがゆえに、ひとりも難民として認めないなど、非常に冷淡であったりします。ミャンマーとの関係も、政府間同士の利益というものを中国と争っていたりするので、いわゆる「民主化」以降はひとりも難民認定されていません。

こうした日本政府の態度は今に始まったことではありません。『中村屋のボース』(05年、白水社)という本に書いたのですが、1915年に日本に逃れてきたインド独立運動の闘士だったボースという人物の話です。当時、インドを支配していた英国と日英同盟を結んでいたので、日本政府はボースに5日以内に国外退去するよう命令を出します。

しかし、5日以内に海外にいく船は、中国・上海行きと香港行きしかなかった。当時はどちらも英国の支配下にあったので、実際は英国への引き渡しを日本政府はしようとしたのです。最終的には、「アジアの闘志をむざむざと処刑台に送っていいのか」として右翼がかばって、ボースを新宿中村屋に逃がす。そこでインドカリーが伝わるのですが。ただ右派も非常にご都合主義的で、現在でも中国を批判したいがためにウイグルには熱心であったりします。

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