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「入管法改正案」は廃案に!──まずは死亡事件解明のためのビデオ開示を

階猛×中島岳志|2021年4月28日5:41PM

安倍政権からの連続的な権力の問題

衆議院法務委員会開催日には国会前で、入管法改悪に反対するシットインが行なわれている。

中島 赤木ファイル(赤木さんが改竄の経緯などを記した文書で、現在もこの存在の有無が、遺族による国賠訴訟の焦点になっている)の話が出てきましたが、入管の問題は、やはり安倍(晋三)政権からの連続的な権力の問題として考えなければいけないと思います。

そこには忖度の問題があります。安倍政権下の2015年、16年には、法務省は東京オリンピック開催のための「安心・安全な社会の実現」を口実に取り締まりを強化する方針を打ち出して収容を強化し、18年には、仮放免の運用方針をかつてないほどに厳格化し、広く「収容に耐え難い傷病者」でない限り、収容を続けるべきとの姿勢を示しました。

こうした入管行政強化の方向性の中で、外国人労働者を道具的に使いながら、一方でオーバーステイには非常に厳しい態度がとられてきました。この状況は、入管が政権の意向を忖度することで非常に厳しさを増していき、結果、さまざまなひずみが生まれてきたと思います。そして、ひずみが生まれても、今回のようにそれをもみ消してしまう。これは、森友問題や「桜を見る会」の問題と共通した構造の問題です。

同じような忖度の構造を使っていると思うのが、入管法(出入国管理及び難民認定法)改正案で新設が謳われている監理措置制度というものです。これは「監理人」の監視のもとで収容を解く措置で、「監理人」には対象者の逃亡の可能性などを当局に報告する義務があり、違反すれば過料の制裁があります。さまざまな支援者や弁護士が監理人になることを懸念しています。これまで支援して守ろうとしてきた人を、場合によって告発しろという制度なのですから当然です。

監理人をやるのかやらないのかというハードな場面に出くわすことを忌避しようと、支援に及び腰になる支援者も出るかもしれません。運動自体が忖度し、自主規制を始めていくという構図です。政府が運動や支援を解体するために、この制度を出してきているように思えて仕方ありません。

私は英国によるインド統治の方法も研究していました。それは、分割統治。つまり、相手側が割れてくれることで、実は上からの力が加速的に働いていくというものです。まさにその方法を監理措置制度は使おうとしていると思うんですね。

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