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「ニュース女子」訴訟、辛淑玉さんらが証言台に 
悪質「ヘイト」の実態とは

岩本太郎|2021年4月2日5:31PM

【「正直言って怖かった」辛さんの心情】

そんな辛さんや原告側が気色ばんだのが、辛さんへの反対尋問で被告代理人弁護士が「あなたは母国・韓国でも在韓米軍基地への反対運動をしているのか」と尋ねた場面だ。この質問には「本件に関係あるのか」と原告側から異議が出たため、すぐ撤回された。

他にも被告側からは17年の同番組放送後、辛さんとは関わりなくさまざまな人々が独自に行なったDHC側への抗議行動についても、辛さんが背後にいると見なすような質問も上がり、それらへの関与を問われた辛さんが「(反訴の)資料をいただき初めて(そうした動きがあったと)知りました」と答える場面もあった。閉廷後、長谷川さんと被告代理人らは真意を尋ねようと近づく報道関係者ら(筆者も含む)を振り払い退出。無言のまま、裁判所前からタクシーに乗り込んで去った。

原告側報告会で、代理人弁護士の一人・神原元さんは「先方は『黒幕』が辛さんだとする自らの主張の証明が一切できなかった」と尋問の成果を述べた。

辛さんは「正直に言って今日は怖かった」と述べた。尋問中には「ドイツでもDHCのCMに悩まされた」との体験を語っていたが、海外でもDHCの広告や番組、差別的な言説がネットを通じて日常的に目に飛び込んでくる状況だったという。集会後の夜には自身のSNSページでも苦しい心情を綴り、友人たちから多くの励ましの声が寄せられていた。

裁判の今後については口頭弁論は次回で終わり、原告側によれば判決は「早くて9月頃ではないか」という。ちなみに今回の口頭弁論前日の3月16日、DHCテレビは「ニュース女子」について、この3月限りで配信終了とすることを明らかにした。

(岩本太郎・編集部、2021年3月26日号)

 

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