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城西大学裁判控訴審が結審、4月に判決 
大学からの排除は報復か

片岡伸行|2021年3月5日6:35PM

城西大学の東京紀尾井町キャンパス。(撮影/片岡伸行)

学校法人城西大学(上原明理事長)から不法に排除されたとして、前理事長の水田宗子さんが同大学と元文部科学事務次官の小野元之理事を訴えている損害賠償請求事件の控訴審第3回口頭弁論が2月4日に東京高裁(高橋譲裁判長)で開かれ、弁論を終結。判決は4月13日に言い渡される。

昨年2月の一審判決(東京地裁)で敗訴した水田さんが不服として控訴していたもの。水田さんは2016年11月の理事会で小野理事による緊急動議で理事長職辞任に追い込まれたあと、大学側によって城西国際大学(千葉県東金市)の大学院院長職を廃止され、授業の始まる新年度(17年4月)に入ってから内容証明で一方的に招聘教授を解任され、教職の地位を奪われた。また、奨学金の名称から「水田宗子」の名を削除するなど、水田さんは名実ともに大学から排除される形となった。

大学創立者の子で比較文学や女性学の研究者でもある水田さんは08年3月末に教授を定年退職したあと、同年4月から招聘教授として無給で指導を続けていた。しかし、大学側は裁判の中で「招聘教授として契約書を交わしていない」「勝手に名乗っていただけ」などと解任の正当性を主張した。

これに対し控訴人側は、法人を代表する理事長職にあった水田さんが自らと契約はできず(=利益相反取引)、招聘教授の辞令を受けて教鞭をとっていたことは全理事が承知し理事会として追認していたなどと主張。控訴人代理人の大室俊三弁護士は「一方的な解任通告は、水田さんが小野理事を名誉毀損などで訴えた訴状が届いた直後のことで、裁判を起こしたことへの報復だ。そもそも特任教授である小野理事も大学と契約書を交わしていない」などと述べ、大学側主張の不当性を訴えた。

同大学をめぐる訴訟はこのほか3件が係争中だ。

(片岡伸行・記者、2021年2月19日号)

 

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