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元役員の慰労金訴訟で再浮上した山口放送「CM不正」疑惑

2021年1月15日1:14PM

12月14日、弁論終了後に開かれた記者会見。右奥が赤瀬洋司氏。(撮影/丸山昇)

山口放送(KRY・山口県周南市・日本テレビ系)の役員だった赤瀬洋司氏が、古巣である山口放送と岩田幸雄・同社代表取締役会長を相手取り、山口地裁周南支部に提訴した。同社では退任役員に役員慰労金を支給するのが慣例になっている。ところが今年6月に退任した赤瀬氏に限り、これを支給しなかった。赤瀬氏はこれを不当だとし、慰労金相当額の約2000万円の支払いを求めている。

表向きは簡明な損害賠償請求だ。しかし背後には「CM不正」という重大問題が横たわっていて、大きな争点になりそうだ。

この第1回口頭弁論が12月14日にあった。赤瀬氏は弁論後に記者会見を開き、集まった記者たちの質疑に応じた。翌日、『山口新聞』は「山口放送は争う姿勢/元役員の退職慰労金訴訟」、『毎日新聞』は「『未放送CM料で不正』/KRY元役員が内部告発」という見出しで記事にした。

訴えによると、まず役員慰労金の不支給については、6月26日の株主総会に緊急動議として出されて、議決されたとされる。赤瀬氏も株主として出席していたが、反論の機会は与えられなかった。

また、山口県をはじめ複数の大株主は、不払いの件を議題にすることを事前に知らされていなかった。6月26日付の総会結果の通知で初めて知った。通知には「(支給が)否決された」とあるだけで、その理由は記載されていないという。退任役員の名誉にも関わることなのに不可解だ。

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