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森友裁判、赤木俊夫さん元上司の音声データ提出 
「もちろん佐川さんの判断です」

粟野仁雄|2020年11月5日11:45AM

口頭弁論後の会見に出席した原告代理人の生越照幸(右)と松丸正の両弁護士。(撮影/粟野仁雄)

森友学園への国有地売却8億円値引きに絡む公文書を改竄させられ、2018年3月に自殺した財務省近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54歳)をめぐる裁判の第2回口頭弁論が10月14日に大阪地裁(中尾彰裁判長)で開かれた。

国と当時の同省理財局長だった佐川宣寿氏を相手に計1億1200万円の損害賠償を求めていた妻の赤木雅子さん(49歳)は今回、夫の元上司(I氏・統括国有財産管理官)が「赤木さんが経緯を記録した文書ファイルがある」などと話す肉声が記録された音声データを裁判所に提出。改めて国側にファイルの存在の有無を問い、提出を求めた。しかし国側は「決裁文書の改竄の経緯や内容などの事実については概ね争いはない。したがって回答の要を認めない」とし、裁判所はデータの証拠採用を留保。佐川氏側は「賠償責任があるのは国であり、公務員個人は責任を負わない」とした。改竄作業が原因で赤木俊夫さんがうつ病を発症し、自殺したことはすでに労災認定されている。

法廷で雅子さんは「夫も泣いていると思います。『そんなことを答える必要がない』という回答がどれだけ遺族の心を傷つけるか想像できると思います」などと涙ながらに訴えた。閉廷後の会見に雅子さんは姿を見せず、代理人の生越照幸弁護士が「単純に労働時間だけの問題ではない。より具体的な改竄の情報、経緯の情報がないと赤木さんの心理的負担の強度はわからない」などと話した。

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