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「チェ・ゲバラ」Tシャツでの入館を衆議院議員会館が阻止 
市民が抗議

岩本太郎|2020年9月30日4:27PM

議員会館で管理者側(正面奥)の責任を追及する石垣さんほか。(撮影/岩本太郎)

【会館側対応はしどろもどろ】

前述の通り議員会館側は24日の事件発生直後に謝罪を表明。ただ同時に入館時の禁止基準を問われて「ワッペンは良いがタグは許可しない」と述べたほか、2日後には、タグもワッペンも含めて検査しないが「極めて不適切な表現記載についてはお声をかけさせていただく」などと訂正したためさらに批判を浴びる形となった。ちなみに議員会館の内規「館内及び構内の禁止事項」には全20項目中の(4)として「鉢巻き、たすき、ゼッケン、腕章(議院制定の通行腕章を除く)等の着用」とあるが、前記のTシャツ等がこれに該当するか否かも会館側の説明は不明瞭。そもそもこの内規には冒頭「セキュリティ等を確保するため」という趣旨が記載されているが、ゲバラの顔が描かれただけのTシャツに具体的にセキュリティ上のどんな問題があるというのか?

「表現の自由に関わる問題だ」と石垣さんたちは憤る。そこへまた火に油を注ぐかの如き効果をもたらしてしまったのが、9月11日に行なわれた両者間の三度目の話し合いの席で会館側が出してきた「ご来館時の警備員の対応についてお詫び」という文書だ。前出の古山氏と中村氏の連名で「座り込み実行委員会」に宛てられたものだが、120文字程度の文面に「着衣について警備員が誤った判断によりお声掛けをしてご入館を制止し(中略)石垣様に大変ご不快な思いをお掛けしましたこと」を謝罪する旨があるのみ。入館阻止が具体的にどのような根拠のもとに行なわれ、そのどの部分に問題があったのかも言及は皆無だった。

「こんなものは受け取れない!」と石垣さんたちが激怒したことは言うまでもない。当日は私もその場で双方の「話し合い」の様子を取材者として見ていたが、会館側(古山氏・中村氏を含む4人)の対応は終始しどろもどろ。結局、「お詫び」は突き返され、改めて9月23日14時から四度目の話し合いが行なわれた。その後、10月2日にも話し合いを予定。

国会議員会館では過去にも入館者が着衣などをめぐり咎められた例がある。こうした実態は早急に、それこそ会館の主、国会議員も対応に乗り出す形で改めるべきではないか。国際的に見ても笑いモノ……いや、チェ・ゲバラだったら「君たちは腹が立たないのか?」って草葉の陰で泣くぞ!

(岩本太郎・編集部、2020年9月11日号に加筆)

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