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東京五輪開幕予定日に開催反対デモ 
「五輪は災害だ」

西村仁美|2020年8月21日4:46PM

幻の東京五輪開会式当日、コールしながら国立競技場周辺を歩くデモ隊。(撮影/西村仁美)

東京五輪開幕予定だった7月24日、東京都内で五輪・パラリンピック開催反対のデモが行なわれた。主催は「『オリンピック災害』おことわり連絡会」。参加者約100人が国立競技場周辺をシュプレヒコールをあげながら歩いた。

前日には東京五輪・パラリンピックの組織委員会が国立競技場でイベントを開催。病から復帰した水泳の池江璃花子選手が、来年の開催に向けたメッセージを世界へ発信した。一方で前記の連絡会も五輪中止を求める集会を都内で開いた。デモ参加者の一人(48歳)は「五輪なんて冗談じゃない。新国立競技場建設のため都営霞ヶ丘アパートの住民や野宿者も住んでいる場所を追い出されて、元の場所には戻れない」と憤る。

同連絡会の宮崎俊郎さん(59歳)も「私たちは五輪を『祝祭』ではなく『災害』だと捉えている」と主張する。開催費用からして当初は「コンパクトで安上がりにやる」と言われながらも結局3兆円以上までのぼったとも言われるなど、さまざまな観点から五輪は市民に災厄を及ぼすものと断言。さらに「一刻も早く中止を決めるべきだ。新型コロナウイルス感染拡大の中での五輪の開催はまさしく災害そのものだ。国はきちんとコロナ対策をやっていくべき」と批判した。

24日のデモでは警視庁の警備隊がデモ隊や周辺への注意喚起などを促したが、そのマイクの音量がデモ隊のコールをかき消すほどの大きさにまで上げられ、あまりの酷さに最前列にいた宮崎さんなどが抗議する一幕もあった。

「デモ妨害と言える。過去のデモでもあんな酷いやり方はなかった。後日警視庁への抗議の申し入れを考えています」(宮崎さん)

デモ開催前には、近くのJOC(日本オリンピック委員会)本部前で、先方の「職員不在」ということで手渡せなかった五輪中止の要請文の読み上げも行なわれた。

(西村仁美・ルポライター、2020年7月31日号)

 

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