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兵庫県芦屋市が幹部のパワハラ隠し図る?

平野次郎|2020年7月15日7:44PM

パワハラ疑惑隠しの批判が出ている芦屋市役所。(撮影/平野次郎)

兵庫県芦屋市役所の職員約10人が部長級の管理職からパワーハラスメントを受けたとして「調査依頼書」を担当窓口の人事課長に提出したとの情報があり、6月16日の同市議会本会議で依頼書の有無が論議になった。一般質問でこの問題を取り上げた議員は、事前に質問取り下げを求められたことなどを指摘し、市がパワハラ疑惑を隠蔽しようとしているのではないかと批判した。

質問した大塚のぶお議員によると、この依頼書が昨年8月に出されたとの情報を得て市に情報開示請求したが「存否応答拒否」との通知だった。議員は依頼書が存在するのか、事実関係を調査したのかなどの点を質したが、伊藤舞市長らは「個別の事案にはお答えできない」との答弁に終始した。このあと議員が質問を続けていると突然、議長が休憩を宣言し議会運営委員会に諮ったうえで「質問を続けても平行線になる」とし、議員の質問は中止になった。

関係者によると、この管理職によるパワハラ疑惑は数年前から続き、威圧的な言動に職員らは怯え、異動させられたり長期休暇に追い込まれたりした職員が複数いる。職員の記録によると、「やれと言ったらやれ、俺の命令が聞けないのか」「あんた、頭おかしいんちゃう」などと叱責され、身体的危害を加えられるのではないかと恐怖を感じたという。一方、この管理職は現職にとどまっている。

こうしたパワハラ隠しの背景には、市が計画するJR芦屋駅南地区再開発事業があるとみられる。市トップの威信をかけた事業といわれ、計画に反対する市民らは「事業推進の中心となっているこの管理職を擁護しようとしている」と反発。16日の市議会を傍聴していた市民らは議員の質問が中止になると、「おかしい」「口封じだ」などの声を上げた。翌17日、市は記者会見を開き、人事課長が「早急に事実確認を行なう」「依頼書については答えられない」と述べた。

(平野次郎・フリーライター、2020年6月26日号)

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