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沖縄県議会議員選挙、玉城デニー知事の与党が辛勝

阿部岳|2020年6月25日12:25PM

沖縄県議選の開票作業に当たる那覇市職員。6月7日夜、那覇市民体育館。(撮影/阿部岳)

任期満了に伴う沖縄県議選は6月7日に投開票され、玉城デニー知事の与党が定数48議席のうち25議席を獲得、辛うじて過半数を維持した。一方、野党の自民党は4議席増。中立の公明党や旧日本維新の会を含めて23議席になった。

自民は今後、与党の保守中道議員の引き抜きを目指す。与党が議長を出し、1人でも野党に回ればたちまち少数に転落する。辺野古新基地建設に反対し、国と対峙する玉城知事は綱渡りの県政運営を強いられそうだ。

今年9月に任期の折り返しを迎える玉城知事にとっては中間評価となる選挙。「県民に一定の評価をいただいた」としながらも、与党が1議席減らしたことに触れ、「予想より非常に厳しい結果」「現実を踏まえて真摯に県政運営に当たっていきたい」と延べた。

選挙区が小さい県議選は国政選挙や知事選に比べて地縁血縁の影響を受けやすい。政府は当初、少数与党転落による玉城県政の弱体化を狙って攻勢をかけようとした。菅義偉官房長官に連なる勢力が保守中道の結集を目指してグループを立ち上げたり、菅氏自身も3月末に沖縄入りしたりした。

しかし、その後の新型コロナウイルス感染拡大を受け、公明が候補者4人のうち2人を取り下げた。支持母体の創価学会による熱心な選挙運動を懸念してのことだったが、政府は大幅に目算が狂った。一方、玉城知事側から見れば、「相手の事情」で命拾いした面がある。

沖縄の公明は党本部と異なり辺野古新基地に反対の立場を維持している。辺野古反対は与党と公明を合わせた27人で、県議会の新勢力でも多数を占める。

投票率は46・96%と初めて50%を割り込み、過去最低だった。投票日が大雨になったことも影響したようだ。コロナ下の選挙は運動の制約、投票回避があり、全国的にも低投票率が続いている。

(阿部岳・『沖縄タイムス』記者、2020年6月12日号)

 

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