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新型コロナ渦に必要な経済対策はこれだ

鷲尾香一|2020年5月31日11:32AM

直ちに消費税率を引き下げるべき

安倍政権は外出自粛という政策を選択し、経済の悪化を覚悟した以上、生活の維持を国民の自己責任に押し付けるべきではない。国民の生命を守る義務がある。

そのためには、中小・零細企業の事業継続、個人の生活維持ができるように、惜しみなく資金を拠出するべきだ。

さらに、たとえば500兆円近い企業の内部留保を、制度改革を行なうことで雇用維持に使わせるようにするなどさまざまな工夫を行ない、個人の雇用を守ると同時に、財源を確保する方法を検討していくべきだ。

安倍首相は19年10月の消費税率10%への引き上げの条件として、「リーマンショック級の事態がないこと」を幾度もあげた。

新型コロナという“リーマンショック級の事態”が起きたのだから、すぐにでも消費税率の引き下げを行ない、個人の税負担を軽減する必要がある。

東日本大震災後には、復興財源として所得税、住民税、法人税で増税が行なわれた。新型コロナ終息後には、同様に「新型コロナウイルス復興税」のような増税が行なわれるに違いない。

東日本大震災復興税については、法人税増税はすでに終わっているが、住民税と所得税は現在も増税が続いている。

新型コロナ関連で増税を行なう場合には、法人税を中心とし、個人は富裕層に対する累進課税を強化するなど、課税における工夫を行なうことが重要だ。

安倍首相の任期は最長で21年9月末、残りは1年4カ月だ。新型コロナ対策で、通算在職日数歴代1位の首相として“歴史に名を残す”成果を上げてほしいものだ。

(鷲尾香一〔本名・鈴木透〕・元ロイター通信編集委員。2020年5月15日号)

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