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アベノマスク、首相と生産国との“濃厚な”関係とは

岩本太郎|2020年5月29日7:28PM

4月17日から全戸に配布が始まった布マスク。(撮影/岩本太郎)

人類滅亡の予行演習か予告編かといった状況が続く中で、政治の世界からは「アベノマスク」騒ぎが出る始末、というかお粗末だ。約5000万世帯に配布予定の布マスクの中に異物が混入していた話は後述するとして、この件をめぐっても「お友達内閣」の面目躍如(?)とも言うべき背後事情がさっそく取り沙汰されている。

厚生労働省がこれまで明らかにしているところによると、今回の妊婦用布マスクの受注企業は興和(受注金額約54億8000万円)、伊藤忠商事(同約28億5000万円)、マツオカコーポレーション(約7億6000万円)の3社と、4月27日に公表したユースビオ(他に横井定が介護施設向けマスクを受注)。前記の3社のうち一番金額の大きい興和は名古屋に本社がある医薬品・繊維会社で、その工場はビルマ(ミャンマー)の最大都市ヤンゴン市郊外の工業団地にあり、3月中に1500万枚、4月には5000万枚のマスクを増産予定だと、同国情報省が認可するウェブメディア「ミャンマージャポン」が3月18日付で報じている。

ビルマは安倍晋三首相および妻の昭恵氏にとっても縁の深い国だ。昭恵氏はビルマの主に子ども教育を研究テーマとした支援活動に以前から力を注いでおり、たとえば2017年2月に当地で日系NGO関係者らが開いた集会にも出席。その懇親会の席上「義父に当たる故安倍晋太郎元外相が最後に訪問したのがこの国で、夫の安倍晋三首相からも“最も親しみの持てる国”として薦められ」たと語っている(「日本財団ブログ」17年2月7日付記事)。

安倍首相の祖父・岸信介氏が1957年5月、首相就任後初の外遊で最初に訪問したのがビルマだったこともよく知られている。ちなみに一般社団法人「日本ミャンマー協会」の最高顧問は麻生太郎副総理兼財務大臣だ。

妊婦用マスク受注企業の残り1社ユースビオ(福島県福島市)の社名が27日まで公表されなかったことも世間の疑念をかきたてた。前記3社による布マスク受注金額の合計は約90億9000万円、政府が公表した布マスク配布経費の総額は約466億円である。 

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