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「大崎事件」裁判支援のクラウドファンディング開始 
第4次再審請求に支援呼びかけ

片岡伸行|2020年5月7日5:10PM

司法記者クラブで会見する周防正行監督(右から2人目)ら。(撮影/片岡伸行)

「あたいはやっちょらん」。1979年に鹿児島県で起きた「大崎事件」で有罪とされ、40年以上も無実を訴えている原口アヤ子さん(92歳)の裁判を支援するクラウドファンディング「#裁判で真実を」が3月24日から開始された(URL https://readyfor.jp/projects/osaki_Justice)。同月30日には「殺人ではなく事故死」とする新証拠とともに、同事件の第4次再審請求が鹿児島地裁に申し立てられた。

クラウドファンディングが、日本弁護士連合会認定の支援事件で実施されるのは初の試み。「実施主体」となるのは、映画監督で「再審法改正をめざす市民の会」共同代表の周防正行氏。開始日には弁護団事務局長の鴨志田祐美弁護士らと東京・霞が関の司法記者クラブで会見した。

2015年に申し立てた同事件の第3次再審請求は鹿児島地裁、福岡高裁がともに「再審開始」を決定・支持したにもかかわらず、19年6月に最高裁がその決定を取り消した。会見で鴨志田弁護士と佐藤博史弁護士は「これは日本の刑事裁判史上例のないことで、最高裁の大誤判」とし、「われわれは科学的な証拠を持っている。第4次再審でアヤ子さんの冤罪を晴らしたい」などと述べた。

クラウドファンディングの目標額は500万円だったが、4月6日時点ですでに640万円を超え、次の目標額を1000万円としている。資金は立証活動や弁護団の活動費に充当される。窓口となる「READYFOR(レディーフォー)」の執行役員で弁護士の草原敦夫氏は「社会的に大きな意義のある事件の活動は弁護士の“手弁当”というのが実態。社会にアピールし、多くの支援を得たい」と述べた。

周防氏は「アヤ子さんの無実の罪を晴らすだけでなく、これは日本全体の問題。多くの人に日本の再審法がどういうものかを考えてもらうきっかけになれば」と話し、広く支援を呼びかけた。

(片岡伸行・記者、2020年4月10日号)

 

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