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教科書検定、学び舎は合格、自由社・令和書籍は不合格 
右派の政治利用、なお要警戒

能川元一|2020年4月24日5:23PM

「つくる会」はさっそく『産経新聞』に出稿、キャンペーンを開始。(同会ツイッターアカウントより)

3月24日、来年度から使用される中学校教科書の検定結果が公表された。この検定で「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆にあたった自由社の歴史教科書が不合格となった経緯と検定制度の問題点については本誌3月6日号の本欄でもとりあげた。

前日の3月23日には『毎日新聞』(ウェブ版)が「リベラル系ホントに喜んでいいの? 『つくる会』教科書の検定一発不合格が問うもの」と題してつくる会副会長の藤岡信勝氏、「子どもと教科書全国ネット21」事務局長の鈴木敏夫氏に取材した記事を掲載。本欄同様に文部科学省への忖度のおそれを指摘した。このように検定結果に注目が集まるなかでの発表だった。

修正のうえ再申請することを認めない「一発不合格」は3社。うち1社は技術・家庭科で、歴史教科書では自由社に加えて作家の竹田恒泰氏らが執筆にあたった令和書籍が不合格となった。つくる会は同25日に声明を発表。改めて「狙い撃ち」されたと主張した。

なお検定意見の数が基準となる数字を超えたため不合格となった自由社教科書とは異なり、令和書籍の教科書は「教科用図書としての基本的な構成に重大な欠陥がみられる」という理由で不合格となっている。竹田氏は学校での採択を目指す意思がなく、単に右派色の強い教科書が合格したという実績を残したいだけだという趣旨の発言を月刊誌『WiLL』5月号掲載の藤岡氏との対談で行なっている。検定制度の政治利用と言わざるを得ず、検定制度の是非をおくとすれば不合格は当然だろう。

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