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メディア界の女性比率調査
新聞・放送・出版いずれも女性役員は0%か1割未満

宮本有紀|2020年3月13日6:14PM

新聞・民放・出版などの労組からなる日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は、国際女性デー(3月8日)にあわせてメディア業界の役員や管理職、従業員に占める女性割合を調査。6日に結果を公表した。MICは「新聞・放送・出版のいずれも『2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする』という政府目標とかけ離れた状況」と分析しているが、そもそも従業員数に女性が少なく、比較的多い出版関係でも4割未満。管理職比率は、最も多い現場のリーダーでも出版関連で2割台、新聞・通信では1割にも満たない。役員クラスではさらに数字が小さくなるという構造が明らかになった。

19年11月22日号の本欄で、民放労連女性協議会の調査による在京テレビ局の女性比率を報じたが、報道と制作の部門で最高責任者ポストの女性が6局ともO%

2019年11月22日号に掲載した在京テレビ局の女性比率表

だった。今回はそれに在阪テレビの調査とNHKのデータ更新が加わったが、在阪テレビ5局(毎日放送、朝日放送、テレビ大阪、関西テレビ、読売テレビ)も報道と制作の部門での最高責任者ポストの女性O%。役員もO%だった(NHKは役員9・1%で部門別データはなし)。

あわせて公表された「新聞・通信社の働き方アンケート」では、女性と男性の意識の差も表れた。

賃金・待遇や働く上で性差別があると感じるかとの質問に、「とてもある」は女性21・5%、男性7・9%と3倍近い差が見られる。「とてもある」と「どちらかといえばある」の計は女性60・5%に対し男性40・7%だ。差別を感じる内容は「任される仕事内容や責任の重さが異なる」「男性の昇進・昇格のほうが明らかに早い」など。女性からは「政治部・経済部などの昔ながらの本流の領域は男性記者、教育や子育て、福祉、生活、ジェンダーなどの領域は女性記者の担当となることが多い」という趣旨の意見が目立ち、割り振られる担当やテーマが性別で違うことへの不満が感じられるという。

また管理職に女性が少ないことの影響について、男性は「特になし」「影響は感じない」という意見が散見される一方、「デスクやキャップが全員男性で、たとえばジェンダーやセクシュアリティのテーマで原稿を出す前から分かってもらえるかどうか不安」「女性の視点では重要な事案がデスクの目に止まらない」という女性の声があがった。

MIC議長の南彰氏は、これらの結果について「社会の意識形成に関わるメディアのジェンダーバランスの歪さが、19年の153カ国中121位の日本社会につながっている」と分析。「男性ばかりの上司を説得して記事や企画を通すため問題意識がゆがめられる環境が残念ながら続いている。そこを早期に変えないと、優秀な人材がメディアに見切りをつけ、報道が弱体化し、社会から見捨てられてしまう」と危機感を抱く。「この状況を変えるため女性の役員・管理職を増やさないといけないし、そのためには女性がキャリア形成をしていけるような働き方の見直しやハラスメントなどの人権侵害のない環境づくりが必要。メディア関連労組として力を入れるところ」と話した。
(宮本有紀・編集部、20年3月13日号)

 

 

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