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「桜」疑惑で自民党下関市議が証言「ホテル名義の領収書もらってない」

片岡伸行|2020年3月6日12:37PM

山口県下関市東大和町にある安倍晋三事務所。(撮影/片岡伸行)

昨年の「桜を見る会」前夜祭で参加者に「宛名が空欄の領収書を渡した」という首相答弁は、ANAホテルの回答によって信用性が問われている。一方、本誌の取材に首相の地元・下関市の自民党市議複数が「領収書をもらった記憶はない」と証言する。領収書は本当に発行されたのか。

まず、領収書をめぐる安倍晋三首相の答弁を整理しておこう。

▼ホテルニューオータニの会場入り口の受付で安倍事務所の職員が参加者から会費を徴集し、ホテル名義の領収書をその場で渡し、受付終了後に集金した現金をそのままホテル側に渡した。

▼領収書はホテル担当者が金額などを手書きし、宛名は空欄だった。

▼ホテル側から明細書は受け取っておらず、内容も確認していない。

これらは昨年11月の説明と今年2月3、4両日の衆議院予算委員会での首相答弁の要旨である。

安倍後援会による「前夜祭」は2013年以降19年まで、ホテルニューオータニで4回、ANAインターコンチネンタルホテル東京で3回の計7回開かれている。そのすべてが前記の対応だったという趣旨の説明をしたのだ。

【首相答弁の矛盾つく】
2月17日の衆議院予算委員会で辻元清美衆議院議員(立憲民主党)は「ANAインターコンチネンタルホテル東京」に質問した内容とホテル側の回答を示し、首相答弁の矛盾をついた。

首相答弁と食い違うのは「宛名のない領収書を発行したことはなく、見積書や明細書は主催者に対して発行している」という点だ。

すると、安倍首相は同日(2月17日)午後になって、小川淳也衆議院議員(立憲民主党会派)の質問に対し、ANAホテル側の辻元議員への回答は「あくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については営業の秘密に関わるため(安倍後援会の前夜祭のケースについては)回答に含まれていない」ことを職員が電話でホテル側に確認したと反論。また、「領収書は宛名を〈上様〉として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性はある」と新たな説明を付け加えた。

ANAホテルは同日、『朝日新聞』などの取材に、「営業の秘密に関わるため、辻元議員の回答に含まれていない」と「申し上げた事実はない」と首相の「反論」を否定したものの、翌2月18日に自民党幹部と会談すると一転して沈黙の姿勢になった。さらに、同ホテル発行の領収書の宛名に首相説明どおりの「上様」と書かれたものがあったことを2月22日付『産経新聞』が報じた。しかし、ホテルニューオータニが「明細書を渡さず、参加者に宛名空欄の領収書を渡した」という首相説明の要点は依然変わらない。

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