下関市で「桜疑惑&大学私物化」シンポ
安倍首相地元から糾弾の声
片岡伸行|2020年3月3日7:59PM
国会で「桜」疑惑の違法性が追及される中、安倍晋三首相の地元・山口県下関市で2月1日、「桜を見る会疑惑&下関市立大学私物化シンポジウム」(同実行委員会主催)が開かれ、国会議員や弁護士、大学教授らが「安倍支配」の構図の中で起きた中央と地元「二つの私物化」を取り上げた。
会場は「安倍事務所」にほど近い下関市民会館。中ホール(400人収容)には主催者の予想を上回る約350人が来場した。
まず、野党合同の「桜を見る会」追及本部事務局長の黒岩宇洋衆議院議員(立憲民主党)が登壇し「総理の違法疑惑」について説明。公職選挙法と政治資金規正法違反の疑いに対する安倍首相の「無茶苦茶な理屈」を紹介し「最後のアキレス腱をどう切るかの段階に来ている」とし、「公明正大な政治」を取り戻すために国会での追及をさらに強めていくと述べた。
続いて、「桜」疑惑についての安倍首相の説明を「すでに詰んでいる」と指摘してきた郷原信郎弁護士が登壇。「安倍首相はモリカケ疑惑のときも『犯罪行為はやっていない』と発言し、法令に違反しない範囲で私物化する言い訳にしてきた。しかし、今回の前夜祭の問題はもう言い訳ができない。国会での説明も完全に破綻している」などと指摘した。
第2部は、安倍事務所の元秘書を務めた前田晋太郎市長が特定の人物を下関市立大学の教授に推薦し、大学と協議なしに特別専攻科の設置や定款変更を進めている問題。元文部官僚の寺脇研京都造形芸術大学教授と伊東乾東京大学大学院准教授を交えて討論が行なわれ、「桜疑惑の下関版だ」「市長が大学の人事や教育に介入しては学問の自由、大学の自治が破壊される」などと批判した。
市民の「感想」の中には「歴代最低の総理、下関の恥です」「一刻も早く安倍内閣退陣を」など糾弾の声が記されていた。
(片岡伸行・記者、2020年2月14日号)