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「統合型リゾート産業展」にカジノ大手幹部来日 
IR政策に高まる批判

新藤健一|2020年2月28日2:22PM

マカオから来日予定だったメルコのローレンス・ホー会長は予告なしに突然欠席でビデオ出演。(撮影/新藤健一)

安倍政権が目玉とする統合型リゾート(IR)政策に暗雲が立ち込めている。IRなどを担当する内閣府副大臣だった秋元司衆院議員は2019年末、中国企業からの収賄容疑で東京地検に逮捕された。政府は1月中に予定していたカジノを含む統合型リゾート施設参入に関する基本方針の決定を先送りする方針を固め、野党はIR整備法を廃止する法案を提出、カジノ批判が強まっている。

1月末に横浜市「パシフィコ横浜」で開かれた「統合型リゾート産業展」には国際的なカジノ運営企業6社と国内ゼネコン、電機メーカーら約50社が出展。一方、東京地検は1月23日、秋元議員逮捕の関係先として、香港に本社を持つカジノ運営企業「メルコリゾーツ&エンターテインメント」日本支社を捜査した。メルコは日本での事業参入に熱心で、東京や大阪、横浜に日本法人を設立している。

会場では有識者による講演会も行なわれた。初日冒頭、山下ふ頭に誘致を計画する横浜市の平原敏英副市長は「外国人観光客の宿泊数の伸び率が低く、日本全体の1%に満たない」「人口減少と高齢化で医療・介護費の負担増」「公共施設の老朽化や災害対策費用で2・5兆円が必要」と、市の財政について説明。「誘致が問題解決の一助」と締めくくった。

続いてカジノ大手6社幹部も講演。ギャラクシー・エンターテインメント(本部・香港)日本法人の岡部智氏、ゲンティン・シンガポール(本部・マレーシア)のタン・ヒーテック社長がスピーチ。マカオから来日予定で注目されたメルコリゾーツ&エンターテインメントのローレンス・ホー会長は突然欠席し横浜の幹部が代理で講演した。新型コロナウイルス対応で講演を取りやめたといい「メディアへの対応はしない」という。秋元容疑者は2017年12月、中国企業が用意したプライベートジェット機でマカオなどを視察。メルコのカジノ施設にも立ち寄っていた。150万円相当の旅費の提供を受けたとして収賄の疑いで1月14日に再逮捕された。

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