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セブン本部の契約解除にオーナーは徹底抗戦

粟野仁雄|2020年2月13日11:56AM

【近日中に本部に対し本訴も】

松本さんは「コンビニ加盟店ユニオン」で共闘しているが「私の契約解除を知り、時短や元旦休業を計画した他店のオーナーも尻込みしてしまったようです」と話す。

「私が不在の間に本部関係者がやってきて更地にしてしまうかもしれないので、おちおち店を留守にできません」と話していた松本さんは1月6日、契約解除の無効、オーナーとしての地位確認、取引拒絶の差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申し立てた。一方、セブン本部は店舗の明け渡しなどを求める仮処分申請をした。

1月27日午後、大阪地裁で裁判官を交えて松本さんとセブン本部側との初の「双方審尋」があった。代理人の壇俊光弁護士の説明によると、セブン本部側は、裁判長に争点を絞ることを求められて店舗の明け渡しだけに限定した。

壇さんは「地位確認の仮処分申請は労働者が雇用主を相手取るのが大半で、こうした例は珍しい。しかしフランチャイズの本部はオーナーに対して雇用主と変わらず強い立場にある。時短運動の中心的存在だった松本さんを排除するためにクレームが多いことを口実にしただけ。クレームといっても、ネットなどに書かれたことが事実かどうかもわからない」とする。

今後の審尋では、背景にある時短問題などは本格的には取り上げられない見通しだが、松本さんはこれと並行して、近日中にセブン―イレブン本部を相手取り地位確認請求などの本訴を行なう予定だ。

「無駄な24時間営業で親の葬式にもまともに出られないオーナーもいるんです」と松本さん。一方、セブン本部広報は取材に対し「現在、裁判所の判断を仰いでいる立場で、当方から本件に関する主張や見解を述べることはございません」と回答した。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、2020年1月31日号)

 

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