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神津連合会長ら日独の労働組合代表が会見

片岡伸行|2019年9月24日5:52PM

「労働の未来」について述べる神津・連合会長(左)とホフマン・DGB会長。(撮影/片岡伸行)

正規・非正規労働者の格差問題など新自由主義政策下での共通課題を抱えている日独の労働組合代表が、G20(主要20カ国・地域)労働雇用大臣会合(9月1、2日・愛媛県松山市)を前にした8月28日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で会見を開き、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)実現へ向けての課題や展望を語った。

AI(人工知能)やIoT(Internet of Things=モノとインターネットの接続)など新技術の普及で労働の未来はどうなるのか。それが会見のテーマだったが、記者から出た質問は「難民」「外国人労働者受け入れ」「非正規労働者の収入格差」など、いずれも両国が直面している問題。シリアなど紛争地の難民を2015年以降100万人以上受け入れ、「難民危機」と称されるほどの緊張が高まったドイツ社会の現状について、ドイツ労働総同盟(DGB)のライナー・ホフマン会長は「それから4年。難民の3分の1が労働市場に入った。難民であっても最低賃金(日本円にして時給約1200円)など、処遇は正規労働者と同じにすることを労使双方で確認している」と述べた。

一方、日本では自殺や過労死、失踪など「奴隷状態」とされる「外国人技能実習制度」を温存し、4月からの“改正”出入国管理法で外国人労働者の受け入れ拡大を図っているが、連合(日本労働組合総連合)の神津里季生会長は「劣悪な環境で働かざるを得ない状況の上塗りにならないか危惧している。悪質ブローカー対策に国が乗り出すべき」とし、「連合として個人加盟ユニオンを各地に配置し手を差し伸べる」と述べた。

「ドイツは労働者の20%が非正規。2割は高すぎだ」とホフマン会長。一方の日本は約4割の非正規労働者が低賃金にあえぎ、男女格差も常態化。ディーセント・ワークには程遠い状況だ。

(片岡伸行・記者、2019年9月6日号)

 

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