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京アニ事件、犠牲者氏名公表に時間を要した背景

粟野仁雄|2019年9月13日6:33PM

京都アニメーション事件で亡くなった津田幸恵さん。(提供/津田伸一さん)

「このままでは事件の全体像が正確に社会に伝わらない」

「公表に異例の日数を要する憂慮される事態」

京都府内の報道機関12社で作る在洛新聞放送編集責任者会議は8月20日、京都府警に対し、京都アニメーション放火殺人事件(7月18日)の犠牲者35人のうち残る25人の実名を早急に公表することを書面で申し入れた。遺族などには「節度ある取材」を約束。同府警の井上基総務部長は「遺族・関係者と調整し適宜適切な時期に応対したい」と述べた(その後27日に残る25人全員の氏名を公表)。

8月2日の会見で、同府警の西山亮二捜査1課長は「身元特定に時間を要したことに加え、凄惨な事件で関係者の精神的ショックが極めて大きい。ご遺族ら関係者が死を受け入れるまでに時間がかかった」とした。葬儀を終え遺族の了承を得られたのが10人で、残る25人については実名公表への理解を求める意向を示し、遺族には「(匿名だと)臆測が流れたり、誤った事実が流れ、亡くなった方の名誉が傷ついたりする」と説明したことを明かした。とはいえ、警察が遺族の了承を得られた人の身元だけ発表するのは異例だ。

ごく一部の遺族はこれ以前に実名を明かしていた。長女の幸恵さん(享年41)を亡くした兵庫県加古川市の津田伸一さん(69歳)は早くからメディアにも応じた。筆者も事件6日後に自宅にお邪魔したが、「娘が頑張っていたということが少しでも知っていただければ」と話していた。「警察が発表する前に幸恵の名前を公表したのは、安否を心配してくれている人達がいたからです。苦しんでいるのは遺族だけではないですから」。だが取材が集中し疲弊している。

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