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性暴力軽視社会を変えよう!
全国18都市でフラワーデモ

黒島美奈子、宮本有紀|2019年8月23日6:45PM

花を手に集う人々。沖縄・那覇市で。(提供/黒島美奈子)

性暴力のない社会を目指すフラワーデモが8月11日、全国18都市で行なわれた。今年3月、娘に性交を強要していた父親や、抵抗できない状態の女性に性交した男性が無罪となる判決が続き、刑法や裁判のあり方に批判が高まったことから4月11日に始まったフラワーデモ。その後も毎月11日に各地で自発的な開催が続き、今回は札幌、盛岡、仙台、東京、千葉、長野、岐阜、名古屋、京都、大阪、神戸、明石、福山、松山、福岡、熊本、鹿児島、那覇で実施された。

今回初めて行なわれた沖縄では那覇市の県民広場に約200人が集った。コサージュを麦わら帽子にあしらった女性(63歳)は「何が何でもこの場所で話がしたかった」と口火を切った。13歳の時、同じ中学の卒業生だった人から性暴力を受けたが、誰にも打ち明けられないまま大人になった。初めて人に打ち明けたのは50代半ばになってから。今も性暴力に関する報道などを見聞きすると苦しくなる。そんな女性がこの日、「血液が逆流する思いだった」と怒りを口にした。デモに来る途中、元「慰安婦」に関する心ないインターネット上の投稿を目にした。「戦後、女性たちが元『慰安婦』たちに寄り添いつくってきた関係を、いま日本政府が壊している。沖縄から本当の命の尊厳を訴えていきたい」と力強く宣言した。

市民集会への参加は初めてという琉球大学大学院生の新里知佳さん(27歳)は、レイプ未遂によるうつで苦しむ友人を思い、マイクを握った。「女だからある程度触られるのは仕方がないと思っていた。でもそんな私の無関心が友人を苦しめ、社会の無関心をつくっていると気付いた」と話し「性暴力被害にあった人たちのために私も行動したい」と前を見据えた。

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