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「慰安婦」報道めぐり元朝日記者が櫻井よしこ氏らを訴えた裁判で新証拠

文聖姫|2019年5月21日11:16AM

4月25日、札幌高裁に入る植村隆(前列右から2人目)ら。(撮影/高波淳)

元『朝日新聞』記者の植村隆(韓国カトリック大学校客員教授、『週刊金曜日』発行人)が、国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこ氏と櫻井氏のコラムを掲載した出版社3社を訴えた裁判の札幌訴訟控訴審第1回口頭弁論が4月25日、札幌高裁(本多知成裁判長)で開かれた。控訴人側からは、植村と弁護士24人が出席した。被控訴人側からは弁護士6人が出席したが、櫻井氏は出席しなかった。

法廷では、控訴人の植村と小野寺信勝弁護士が意見陳述を行なった。植村は、櫻井氏が元日本軍「慰安婦」として韓国で最初に名乗り出た金学順さんについて、「強制的に旧日本軍に徴用された」と『週刊時事』1992年7月18日号に書いていたことを紹介した。また、同誌が出た5カ月後には、当時櫻井氏がキャスターを務めていた日本テレビのニュース番組「NNN きょうの出来事」で、日本の戦後補償に関する国際公聴会について「日本軍によって強制的に従軍慰安婦にさせられた女性たちが、当時の様子を生々しく証言しました」と伝えていたことも指摘した。植村は、徴用とは国家権力による強制的な動員、つまり強制連行を指すとして、「自分自身が強制連行と書いていたのに、それを隠して、私を批判するのはアンフェア」だと主張した。

小野寺弁護士は、真実相当性をもって櫻井氏を免責した札幌地裁の判決を、司法が積み上げてきた「真実相当性」の判例理論から大きく外れた不当な判断だと批判した。さらに、植村の書いた91年の記事を「捏造」という強い言葉で非難した櫻井氏の調査・取材がジャーナリストとして驚くほど杜撰である点なども指摘した。

同日使われた802号法廷の定員75人に対し傍聴希望者は74人で、抽選なしで全員が入廷できた。次回期日は7月2日。

同日午前、各地から寄せられた「公正な判決を求める署名」1万3090筆を、植村らが札幌高裁事務局に提出した。

(文聖姫・編集部、2019年5月10日号)

 

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