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候補者の「男女均等」状況、現職の壁厚い自民出遅れ

宮本有紀|2019年2月21日7:59PM

公明、立憲民主、国民民主、共産、日本維新の会、社民の各党は担当者が前に出て説明。女性の候補者を国政、地方議員、首長問わず通年で募集している」と話す長妻昭議員。(撮影/宮本有紀)

衆議院議員の女性比率は1割未満で193カ国中162位(列国議会同盟2018年12月調査)と世界的にも低く、地方議会には女性ゼロ議会もある。この状況を是正するため、選挙時の候補者数をできる限り男女「均等」にすることを政党に求める候補者男女均等法が18年5月に成立。統一地方選と参院選を控え、クオータ制を推進する会主催の集会「議席の半分に女性を!!」が1月29日、衆議院第二議員会館で行なわれ、各党が女性擁立状況を説明した。

野党は積極的な姿勢をアピール。国民民主党の岸本周平・選挙対策委員長は「将来的には男女同数を目指すが参院選ではまず女性3割が目標。統一地方選は現時点で15~20%だが3割を目指す」、立憲民主党の長妻昭・選対委員長は「参院選は男女同数の候補者となる。政治にチャレンジしたいという女性がひっきりなしにくる。今年をパリテ(男女同数)元年にしたい」と発言し、共産党の畑野君枝議員も「候補者も議員も(男女)1対1を当たり前にしたい。地方議員数では女性が1000人となり、都道府県議では54・1%と5割超が女性」と実績を誇った。

日本維新の会の浦野靖人・政調副会長は「女性の候補者を広く募るためにも被選挙権を18歳からにしたい」と制度改革を主張。社民党の福島みずほ副党首は「統一地方選は3割に届かず。参院選も分母が少ないのでもっと増やせるように頑張りたい」と少数政党の苦悩をにじませた。

一方、与党の公明党は中野洋昌・国会対策副委員長が「統一地方選では3割超の女性候補者を公認。参院選は現職女性2人で全体数も少なく苦慮している」と説明。17年10月の前回総選挙で候補者の女性比率が7・5%と1割にも満たなかった自民党は、逢沢一郎・党選挙制度調査会長が「どれくらい擁立ができるか取り組んでいるが抱えている現実がある。それを一つひとつ乗り越えていく大変さを実感している」などと話した。

三浦まり・上智大学教授に政党の温度差をどう見るか聞くと「議席の多い政党は現職が多いから新人をたてられず、女性も増えにくい。新人候補の何割かを女性とする、という目標を立てないと増加は難しい」と指摘しつつ「一部の政党が本気を出し始めたことから女性擁立の動きが広がっているのは事実で、それが大事。報道量が増えることで刺激され立候補する女性も出てくる」と評価した。

(宮本有紀・編集部、2019年2月8日号)

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