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火山のみ争点の川内行訴結審、6月17日判決へ

脱原発弁護団全国連絡会|2019年1月25日4:45PM

九州電力川内原発。(撮影/伊田浩之)

2018年12月17日13時半から福岡地裁(福岡県、倉澤守春裁判長)で、川内原子力発電所の設置変更許可処分取消請求訴訟第10回口頭弁論期日が開かれ、結審した。

この裁判は火山活動による事故のリスクが世界一高い原発である川内原発に対して、原子力規制委員会の適合性審査処分の取り消しを求めており、新規制基準下で初めての取消訴訟であり、火山問題のみを争点としている唯一の原発裁判である。

口頭弁論期日前に門前集会が開かれ、九州各地や東京から駆けつけた原告らが裁判所への強い期待を訴えた。

法廷では、弁護団からの意見陳述が行なわれた。甫守一樹弁護士は、福島第一原発事故の原因となった規制機関の機能不全について、深刻な事故が万が一にも起こらないよう、科学的、専門技術的で十分な審査をしていると司法が考えていた審査の実態は「ザル」であったと同時に3・11前の原発裁判を担当した全国の多くの裁判体の司法審査も、実態は「ザル」だったことを意味していること、そのような裁判は、もう許されないのだと断じた。

火山ガイドについては、
(1)火山学会が特別の委員会を設置してまで問題があることを指摘したこと、
(2)我が国を代表する多くの優れた火山専門家の先生方が、ご自身や周囲の方々に迷惑が掛かることをも恐れず、火山ガイドと規制委員会の審査の問題を批判されてきたこと、(3)規制委員会において破局的噴火の兆候を核燃料の搬出が可能な程度の時間的余裕をもって判断できるという、致命的な誤認があったこと──
を立証してきたが、ここまで処分の違法性が明らかになった原発裁判は、これまでにもなかったし、今後もないだろうと述べた。

そして、もし裁判所が規制当局と電力会社の圧力に屈するようなら、我が国の裁判所は、深刻な原発事故を防ぐためには、今後も一切機能しないことを宣言したのと同じになる、裁判所が3・11前から変わったのかどうかが問われていると述べた。

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