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「袴田巌さんの再収監許さない」 
松山千春さんらが呼びかけ

小石勝朗|2019年1月18日3:41PM

「袴田巖さんの再収監阻止」を訴える桜井昌司さん。(撮影/小石勝朗)

1966年の袴田事件で死刑が確定した元プロボクサー・袴田巖さん(82歳)の「再収監を許さないアピール行動」が12月12日、国会前であった。今年6月に東京高裁が袴田さんの再審開始を取り消したのを受け、検察は2014年に静岡地裁が決めた拘置の執行停止(釈放)も取り消すよう最高裁へ要求。認められると死刑の執行につながるため、危機感を抱いた支援団体が企画した。

東京高裁は6月の逆転決定で「逃走のおそれが高まるなどして刑の執行が困難になるような現実的危険性は乏しい」として釈放は取り消さなかった。しかし、最高検は8月に最高裁へ提出した意見書で「被害者4名に対する強盗殺人・放火の重大な事件であることからすれば、袴田巖の生活状況や心身の状況を考慮しても拘置の必要性は高い」と主張している。

アピール行動は日本プロボクシング協会など8団体の共催で、約200人が参加した。弁護団の角替清美弁護士は「一度釈放された無実の死刑囚が『死刑台』へ戻るのは、世界でも例を見ない事態。絶対に許さない強い決意でやっていく」と力を込めた。

ボクシング元世界王者の輪島功一さんが「検察は袴田さんがやっていないとわかっているから、死ぬまで待っているのか」と吠えると、布川事件の冤罪被害者の桜井昌司さんは「なぜ裁判の世界だけは白を黒と言って許されたままなのか」と怒りを露わにした。

袴田さんの姉の秀子さん(85歳)は「巖が拘置所から出てきたから私もニコニコできる。これが永遠に続くよう祈っています」と再収監阻止への支援を訴えた。

今回のアピールでは、ミュージシャンの松山千春さん、小室等さん、作家の佐藤優さん、漫画家のやくみつるさんらが呼びかけ人になって、賛同する著名人を募っていく。来春まで続け、最高裁へ「世論」として提示する計画だ。

(小石勝朗・ジャーナリスト、2018年12月21日号)

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