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加計学園、「図書費」約1億円請求も本棚はスカスカ 
補助金詐欺か

黒川敦彦|2018年10月24日1:19PM

加計学園図書館のスカスカな本棚。図書費9928万円の水増しは一目瞭然だ。(撮影/黒川敦彦)

私たち、今治加計獣医学部問題を考える会は2018年10月7日、加計孝太郎理事長の記者会見の直前に緊急声明発表を行なった。内容は以下の通りである。

〈加計学園を補助金詐欺の容疑で刑事告発いたします。

加計学園の図書館の全図書約8715冊を写真におさめ、その中から512冊をランダムに抜き取り検査した結果、本の平均単価は3920円でした。平均単価3920円×8715冊=3417万円が現在加計学園の図書館にある本の資産価値であると推計されます。

加計学園が文科省に提出した図書費9928万円(すでに今治市に請求済み)は、3倍近く水増しされた額であり、補助金を詐取していると断定しました。

93億円もの税金を投入して建築された今治加計学園は、我々市民が再三にわたり総事業費の見積もりを開示しろという要請を一切無視し、現在、住民訴訟が提訴されています。極めて悪質な加計学園のやり方と、市民の税金を預かりながら不誠実に対応し続ける今治のあり方を、到底見過ごすことはできず、我々は追及を続けます。〉

【市民は蚊帳の外だった記者会見】

同日、加計孝太郎理事長が、獣医学部の設置された愛媛県今治市で初めて記者会見を開いた。

加計理事長の記者会見にはそもそも今治市と愛媛県の記者クラブ加盟関係者しか入ることができず、もちろん、今治市民は蚊帳の外であった。

今回の記者会見を開いた主たる理由として加計学園は、愛媛県議会から「渡邉良人事務局長が加計理事長と安倍総理が獣医学部設置について面会をした、という報告をしていたが、それは渡辺事務局長がウソをついてしまっていた」という点について経緯を明らかにすべきという議決がなされたためであると説明している。

記者会見の中で、加計孝太郎理事長は自分は安倍総理と獣医学部の設置について会って話したことはない、渡邉良人事務局長がウソの報告を愛媛県にしていた、と答えた。

【加計理事長コメントの「ウソ」】

当然、この加計理事長のコメントはウソである。加計理事長は私は知らない、すべて渡邉良人事務局長が勝手にやったことだ、と答えたが、政治スキャンダルにありがちな「秘書がやりました的な三流以下のシナリオ」であり、さらにひどいことに加計理事長は愛媛県の文章も読まずに記者会見に臨んだという。

もうコメントする言葉もない。こんな人間たちが国家戦略特区を語り国家の運営の中枢に関わっているのかと思うと改めて前途暗澹たる気持ちになる。

加計学園の図書館の本棚がスカスカであるということは、これはただ本が少ないということではない。私たちが強く主張してきた加計学園設置の総事業費192億円が不当に高く見積もられており、補助金詐欺を働いているという疑惑につながる。

私たちは今治市と加計学園に住民訴訟を提訴しており、補助金詐欺疑惑について今もなお係争中である。

加計学園の問題において、総理のご意向があったとか、誰と誰が会ったとか、という点も大事であるが、何より実際建設された加計学園獣医学部がどのような観点から見ても世界に冠たる獣医学部ではない。

さらにその建設に関わる費用に不正が強く疑われる点が大事である。そのデタラメな加計学園を認可したのは紛れもなく安倍総理である。

加計問題は鎮火していない。森友問題と異なり学校が認可されてしまったことで、今後も新事実が明らかになる可能性がある。

図書費における補助金詐欺の立証と住民訴訟を連動させ、安倍政権を吹き飛ばす大爆弾の起爆スイッチを押すべく、運動を展開したい。

(黒川敦彦・今治加計獣医学部問題を考える会、2018年10月12日号)

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