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AV出演や少女の「自撮り」拡散被害でNPOへの相談が急増

小宮純一|2018年10月23日11:24AM

あいさつするPAPSの田口道子理事長=東京・渋谷区。(撮影/小宮純一)

ポルノ被害を受けた当事者への支援と性暴力についての調査などに取り組む「PAPS」(People Against Pornography and Sexual violence)に対する最近2年間の相談で、アダルトビデオ出演問題とは異なる性的搾取=児童ポルノ、児童買春、子どもの性を対象としたビジネス(JK、着エロ)、リベンジポルノ、アダルトチャット=関係が急増している。10月6日、東京渋谷区でPAPSが開いた第1回活動報告会で明らかにした。

PAPSは2017年12月、NPO法人化。24時間365日態勢で相談窓口を開設し、1人の相談者に2人の支援員を付けている。

市民ら50人超が参加した報告会では、約430件超の相談内容と支援活動について、理事で常勤相談員の金尻カズナさんと常勤相談員で人身取引・性的搾取担当の岡恵さんが説明した。

AV出演被害相談の多くはネットで拡散されている動画の削除だが、依然として出演を辞めたいけれど辞めさせてもらえないという内容が多い。撮影現場では“演技”と称して避妊具なしの性行為が強要されることがあり、トラウマを抱える女性もいるという。

児童ポルノ被害で目立つのが少女たち自らによる「自撮り被害」。動画を受け取った人物がポルノ動画共有サイトに投稿することで問題が起きるが、「親に知られたくない」「学校に知られたくない」と沈黙する。PAPSは1回1万円程度でできる本人訴訟で発信者の情報開示に力を入れている。

児童ポルノ、リベンジポルノが、ネット上に無数にあるポルノ動画共有サイトのAVに紛れていることが判明したものの、サーバーが海外にあるため日本国内からの投稿かどうか判断がつかず事件化できないことが多いが、これまでに14人の相談者が3489件の削除要請をサイトに行ない、7割の削除が実現したという。

(小宮純一・ジャーナリスト、2018年10月12日号)

 

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