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暴力団破門状事件の深層
京都府警が過去を隠蔽した男

成田俊一|2018年7月24日5:08PM

2018年1月、京都府警は暴力団が通知した破門状を「虚偽」だとして4人逮捕した。しかしその結果、京都府警がかばうある人物の存在が浮かび上がってきた。この事件の深層に迫る。

今年1月31日までに、京都府警組織犯罪対策第二課と北署は、暴力団の破門状をめぐって、六代目山口組の直参の淡海一家(高山誠賢総長)の上野隆若頭など4人を名誉毀損及び偽計業務妨害容疑で逮捕した。

逮捕された4人は、2月10日にも同じ容疑で再逮捕され勾留されたが、裁判所は京都府警から出された勾留請求を却下、4人は2月24日に釈放された。

しかし、すでに検挙から半年近くも経つというのに、いまだに4人への起訴処分は宙に浮いたままなのである。この事件は異常な事態になっているのだ。

京都府警はなぜ隠したのか

2017年9月末に淡海一家が通知したという破門状。(提供/筆者)

問題となった破門状(左の写真)は昨年9月末に出回った。暴力団組織では組員の破門や絶縁処分者名を破門状として通知するのが一般的であり、淡海一家も4人の組員が破門処分されたことを通知した。

ところが京都府警は、以下の理由を逮捕容疑として公表したのである。

<被疑者らは、共謀して、虚偽の風説を流布して、被害者らの名誉を毀損し、かつ、被害者らが行う業務を妨害しようと企て、被害者3人が過去に暴力団組織に在籍した事実がない若しくは既に数年前に暴力団組織を脱退し、同組織に在籍していないにもかかわらず、平成29年10月上旬ころから同月下旬ころまでの間、京都府長岡京市に所在する法人ほか26カ所に対し、合計36回にわたり、前記3人が最近まで暴力団組織に在籍していたとする文書等を郵送するなどして、同3人の名誉を毀損するとともに、同3人が代表取締役若しくは実質経営する各法人の業務を妨害した>

府警は破門状に書かれた4人の内の3人の名誉が毀損され、破門状の情報の影響を受け仕事も妨害されたと発表している。

しかし全国紙記者によると、そもそも「被害者3人が過去に暴力団組織に在籍した事実がないとか、すでに組を離れていて在籍していないとか、府警は、かなり紛らわしい説明をしていた」と言う。しかも「被害者の1人については、そもそも組員だったという在籍の事実がないと言い切っていた」と言う。

府警が記者に「在籍の事実がない」とまで言い切った被害者とは誰なのか。記者は「本成泰章氏のことです」と明快に答えた。

淡海一家の組員に聞けば、破門状に書かれた4人は間違いなく元組員だと証言するだろうが、府警は、どうして本成泰章氏という人物の過去をことさら隠蔽するのか。この疑問について、冒頭の事件で逮捕された溝内龍一氏は、驚くべき

一言を口にした。

「すべては本成を守るためです」――。

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