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リニア新幹線、災害時に地下トンネルからの脱出は困難?

井澤宏明|2018年6月7日11:46AM

JR東海の公式サイトから。

JR東海はリニア中央新幹線の大深度地下トンネルの住民向け説明会を5月10日から18日、東京、神奈川、愛知の3都県で開いた。地下40メートル以上の深さの「大深度地下」使用認可を国土交通相に申請したことから行なったものだが、説明会開催の告知をトンネル上の住民に戸別に行なわず、自治体の広報誌や回覧で済ますなど住民軽視の姿勢が明らかになり、各会場で不満の声が上がった。

10日に名古屋市東区で開かれた説明会には約130人が参加。地震などで緊急停車したとき、大深度地下から地上へどのように避難するのかを巡り、参加者からさまざまな疑問が投げかけられた。

JR東海によると、緊急時には車内からハシゴと階段でトンネル下部の避難通路まで降り、最寄り駅か約5キロごとにある非常口まで歩いて移動、エレベーターや階段を使い地上に脱出するという。

これに対し、「乗客全員が避難するのに何時間かかるのか」という質問が出たが、担当者は「避難通路はしっかり加圧して火や煙は入ってこない構造になっており安全なので、避難の時間は関係ない」と回答。他の参加者から「乗客がパニックになる可能性がある。慌てなくていいと言うのは不親切だ」と批判され、「開業までに、訓練を通して避難時間を決めていきたい」と答え直す場面も。

「車いすなどの障がい者はどうするのか」という問いに対しては、「乗務員が背負って降ろす。乗客にも協力していただく」との答え。歩行困難な乗客を避難通路から車両で救出する計画も示したが、大深度地下でのバリアフリー対応がきわめて難しいことを窺わせた。

トンネル上の建物への影響については「問題となるものではない」と説明した。大深度法によると、国の認可を受ければ、地権者への補償なく大深度地下を使用できる。JR東海は3都県の計50・3キロで使用を計画している。

(井澤宏明・ジャーナリスト、2018年5月25日号)

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