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【南北首脳会談緊急企画】
韓国統一部元長官が語る北朝鮮の非核化、平和構築

韓元常|2018年4月27日12:17AM

北東アジアの主導権

――トランプ大統領が金正恩委員長と会談する目的は何でしょうか。

米国政府は、リビア、イランなどとの核問題はもちろん、キューバとの国交を正常化するという外交の成功を遂げた。現在、米国に残っている課題は、対北朝鮮関係を解決することだけだ。トランプ大統領にとっては、米国内の政治的地位を強化し、北東アジアでの外交的な主導権を行使し、米国の国益を最大化するために、金正恩委員長に会って外交的な成果をなすことが目的となる。過去の6カ国協議では中国が主導権を握った。だが、これからは北朝鮮との対話を通じ、北東アジアにおいて、中国との関係の上で優位を占めようとする意図があるのだろう。

 

――米朝会談は成功するでしょうか。

トランプ大統領の意志で、成功すると期待する。これまで米朝会談はいくつかのステップがあった。「ジュネーブ合意」の際には、北朝鮮の核問題を解決することと、北朝鮮に軽水炉を提供し、北朝鮮との外交関係を樹立するという目的があった。2000年に北朝鮮の趙明禄(チョン・ミョンロク)国防委員会第1副委員長と米国のオルブライト国務長官の間で行なわれた合意は、「ジュネーブ合意」の確認とその履行の約束だった。その後、6カ国協議で結んだ「9・19共同声明」(05年)は、朝鮮半島の問題を解決していく決定的な合意の総論であった。これまで米国と国連安保理は継続的に、北に対する制裁と圧力政策を進めてきたが、結果は、北朝鮮の核能力を増強させただけだ。トランプ大統領は、過去の米国政府とは異なる結果を得るためにも、対話と圧力の両面戦略で、金正恩委員長との対話を通じ最良の結果を得る努力をするだろう。

 

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