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子宮頸がんワクチン、国際シンポで問題点共有
連帯して被害の深刻さ訴える

岩崎眞美子|2018年4月11日10:54AM

約340人の参加者で会場は満員。国内の被害者やその家族らの姿も。(撮影/岩崎眞美子)

3月24日、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の副反応について、海外の被害状況を報告した国際シンポジウムが開かれた。

冒頭で、主催の薬害オンブズパースン会議事務局長で弁護士の水口真寿美氏がHPVワクチンの問題点と日本の現状を報告した。

「激しい頭痛や視覚障害、不随意運動や筋力低下、記憶障害、月経異常などの多様な副反応が報告されており、これらの事例がひとりの被害者に重層的に起こっているのも大きな特徴です」(水口氏)

続いて海外からの被害者団体の代表者が登壇。みな被害者の母でもある。スペインから来たアリシア・カピーラさんの娘(当時14歳)は接種直後に倒れ救急搬送された。現在も重い麻痺など多様な症状があり車いすを必要とする生活だ。

「報告されている多様な副反応は他の国の報告とも一致している。多くの少女が苦しんでいるのに医師らにも『心の病』と診断され救済されない」(アリシアさん)

「国の調査を見てもほかのどのワクチンよりも有害事象が多い。これは世界共通」(マンディープ・バリディアルさん/イギリス)

「被害者が被害を訴えても『感情的なテロ行為』『非科学的』と言われ差別的な扱いを受ける。もはや人権問題に発展しています」(アンナ・キャノンさん/アイルランド)

一つひとつの訴えは今の日本の被害者にも通じることばかりだ。

国内被害者原告団代表の酒井七海さんも登壇。「当事者の治療・救済も対応を急いで」と訴えた。

ワクチン製造元であるMSD社を日本に次いで訴えたコロンビアで、原告訴訟に携わるモニカ・レオンさんも「私たちは団結して被害の深刻さを世界に訴えていくべき」と連携を訴えた。

質疑応答ではHPVワクチンと副反応の関連性に関する最新研究の報告も示唆された。科学・医療の分野でも、この連帯を強く後押しするファクトが示されることを期待する。

(岩崎眞美子・ライター、2018年3月30日号)

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