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国際女性デー、広がる共感
選択的夫婦別姓、男女均等議会求める集会も

林美子|2018年3月28日4:42PM

雨の中を行進する参加者。昨年より多い約750人が参加した。(撮影/林美子)

女性の権利を推進するさまざまなイベントが世界中で繰り広げられた3月8日の国際女性デー。東京でも活発な活動があった。

【男女同数議会と夫婦別姓】

同日昼には、永田町の衆議院第一議員会館で「政治分野における男女共同参画推進法」の制定を目指す集会「さぁ推進法成立へ!!」(クオータ制を推進する会主催)が開かれた。この法案は、国と地方の議会選挙で男女の候補者数が「できる限り均等」になるよう目指すという理念法。昨年の通常国会で全会一致により成立の予定だったが、衆院解散で廃案となった。集会には与野党の国会議員23人を含む120人が参加し、今国会で法案を成立させる決意を語った。

日本の衆議院議員の女性割合は昨年12月時点で世界193カ国中157位。政治的な発言力は女性の地位に直結する。今年、女性の「過少代表」という民主主義にとっての課題の解決へ、一歩を進めることができるかが問われる。

ほぼ同じ時間帯に衆議院第二議員会館では「いつまで待たせる民法改正!選択的夫婦別姓を求める院内集会」(mネット・民法改正情報ネットワーク主催)が開かれた。国会議員24人、議員秘書42人を含む148人が参加。今年は新たな別姓訴訟が提起され、また世論調査でも別姓容認派が多数となったこともあり、関心の高さをうかがわせた。

「各党の方々と連携して頑張る」 冒頭発言した立憲民主党の枝野幸男代表はこう力説。与党・公明党の佐々木さやか参院議員は「若い世代が社会に向けて発言力を強めていくことは別姓制度を実現する力になる」と述べた。共産党の志位和夫委員長は「選択的夫婦別姓制度によって不利益を被る人はいない。むしろ制度がないことで大多数の人が『自分喪失』という不利益を被る」と強調した。

二宮周平・立命館大学法学部教授が家族法の歴史と問題点について講演。戦後の家制度解体後も戸籍を個人単位にせず、氏と家族関係が連動する現制度を批判し、別姓を認める民法改正を求めた。

【雨の中でも「#MeToo」】

夜には渋谷駅の近くで、冷たい雨が降るなか「ウィメンズ・マーチ東京2018」があり、約750人が参加。「保育園落ちたマジでヤバイ!」「我慢するのはもう限界!」などのコールが夜の街に響き渡った。傘にはマジックペンで「#MeToo」などと書かれ、男性や外国人の姿も目立った。

参加者数は、昨年の約300人から2・5倍に増えた。事務局を務めたアジア女性資料センターの濱田すみれさんは、トランプ米大統領の女性蔑視発言を機に起きた「ウィメンズ・マーチ」や、性暴力に反対する「#MeToo」キャンペーンの影響が大きいとみる。

「なんとなく平等だと思わされてきたけれど、賃金格差も女性のパワハラ・セクハラ自殺もある。どうにかしなければと気がつき、何ができるか考える人が少しずつ増えてきたのでは。フェミニズム運動がやってきたことへの共感が広がっていると感じる」と話した。

(林美子・ジャーナリスト、文聖姫・編集部)

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