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袴田事件、高裁へ最終意見書 弁護団「ただちに再審を」

2018年2月16日1:27PM

東京高裁へ向かう袴田巌さんの姉の秀子さん(右)と弁護団。(撮影/小石勝朗)

1966年の「袴田事件」で死刑が確定した元プロボクサー袴田巖さん(81歳)の再審請求審で、弁護団と検察が1月19日、東京高裁(大島隆明裁判長)へそれぞれ最終意見書を提出した。弁護団はただちに再審公判への道を拓くよう訴え、検察は再審開始決定を速やかに取り消すよう求めている(本誌1月26日号参照)。

弁護団の意見書はA4判150ページ。本田克也・筑波大学教授(法医学)のDNA鑑定手法をめぐる、鈴木廣一・大阪医科大学教授(同)の検証実験が「裁判所の指示に反し、本田鑑定の方法とは機材も用具も異なっていた」と非難。それでもDNA型は検出されており、「本田鑑定の有効性が裏付けられた」と主張した。

犯行着衣とされた「5点の衣類」については、1年2カ月間も味噌に漬かっていたにしては血痕の赤みが強く、「発見から遠くない時期に味噌に漬けられたとしか考えられない」と警察の捏造に言及。検察が独自に実施した長期間の味噌漬け実験でも血痕は黒色に変化したとして、補強材料にした。

また、新たに開示された捜査段階の取り調べ録音テープから「確たる証拠もないのに自白を強要していたことが分かる」と指摘した。

一方、検察の意見書(145ページ)は、5点の衣類の「捏造疑惑」への反論に全体の3分の1を充てた。5点の衣類の発見当時、公判での検察の立証は順調で「新たな証拠の捏造を必要とする状況にはなかった」と強調。ズボンが小さいサイズで袴田さんがはけなかったことを取り上げ、「警察がその点に無配慮のまま捏造を行なうとは考え難い」とも主張した。

本田氏の鑑定手法に対し「血液のDNAだけを抽出する効果があるとは認められない」と重ねて批判。5点の衣類の血痕については「カラー写真が発見当時の色を正確に反映していない」と釈明した。

高裁は今年度中にも再審開始の可否を判断する見通しだ。

(小石勝朗・ジャーナリスト、2018年2月2日号)

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