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住民税額通知書のマイナンバー 総務省が一転「不記載」に

住民税を給与から天引き(特別徴収)している事業者へ市区町村が送る税額通知書に、今年度から全員の個人番号(マイナンバー)欄が設けられた問題で、総務省がこれまでの姿勢を転換し、番号を不記載とすることを決めた。市区町村の異論を押して強硬に記載を迫ってきたが、与党から見直しを求められるや態度を一転させた。

自民・公明両党が昨年12月14日にまとめた「税制改正大綱」に、「(通知を)書面により送付する場合には、当面、マイナンバーの記載を行わない」との項目が盛り込まれたのがきっかけ。同省は翌日、与党案の通りに取り扱いを変更すると自治体に伝えた。

同月22日に閣議決定され、18年度分の住民税から適用する。ただ、事業者が電子データで通知を希望する場合は番号が記載される。

総務省によると、マイナンバーが入った通知書は厳重な管理を求められるため、経団連が「事業者の保管コストが多大」として不記載を提言したことなどを受けた。「番号記載が必要との方針は変えていないが、制度導入直後の過渡期でもありマイナンバー利・活用策の中で検討し直すことにした」(市町村税課)と釈明する。

今年度は漏洩などを懸念してマイナンバーを不記載にしたりアスタリスク(*)で表示したりする市区町村が続出。同省は昨年5月まで「不記載やアスタリスク表示は認められていない」と高圧的な見解を示し続けていた。

通知書の誤送付・誤配達は相次いでおり、共通番号いらないネットのまとめでは昨年10月末までに104自治体で計688人分のマイナンバー漏洩が判明している。

総務省の対応転換を受け、同ネット、マイナンバー制度反対連絡会、全国保険医団体連合会は「書面、(電子)データにかかわらず、自治体が民間事業者に一方的にマイナンバーを知らせること自体が問題」との共同声明を発表した。

(小石勝朗・ジャーナリスト、2018年1月19日号)