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小池百合子氏と合流をすすめた前原氏、選挙後の醜態 「嘘の上塗り」で希望入り

2017年11月24日4:51PM

民進党代表辞任会見での前原誠司氏。10月30日。(撮影/横田一)

10月30日に民進党本部で代表辞任会見をして、離党後に希望の党に入ることも表明した前原誠司氏が、9月28日の両院議員総会の民進党解体(希望合流)に関する虚偽説明(「排除されることはない」)を嘘と認めず、嘘に嘘を上塗りする言い訳を続けている。

辞任会見で「『産経新聞』9月29日付を見ると(9月)21日の時点で(希望と)維新とのすみ分けは聞いていたとある。辻元清美さんはじめ大阪の人は排除されることは明らかだったのに嘘をついたことになる」と聞くと、前原氏は「(『産経』の)報道を鵜呑みにされているだけで排除したことはない」「小池代表と組んで嘘をついたのでは」との問いにも「それはまったくありません」と答えた。

『産経』記事は「合流協議着手は9月21日、希望と維新のすみ分け『聞いていた』『前原氏は嘘つき』『即辞任を』…民進党両院総会の全容判明」の見出しで、10月27日の両院議員総会の速記録に基づくものだ。私が質問で取上げた関連部分は以下の通りだ。「9月30日に正式発表された希望の党と日本維新の会による候補者のすみ分けについても『21日に聞いていた』と説明した。これにより大阪府内の選挙区の民進党公認内定者は、希望の党から出馬する可能性を絶たれた」(『産経』9月29日付)。

実際、「(岩上安身氏設立の)IWJ」のホームページなどで公開されている速記録には、次のように記されていた。

●前原代表「9月17日からコンタクトを取り出しました。大阪については、維新との住み分けをすると聞いていました。9月21日に小池さんの代理人と話をしました。その時に『(民進党候補)200:(希望の党候補)100』の話をしましたが、ずっと膠着状態だったんです。玄葉(光一郎)さんと若狭(勝)さんが話し合うまで、この話は止まっていました。大阪について、議論しつつも、結論を得られなかったことはお詫びしたいと思います」

●平野(博文)氏(大阪府連代表)「維新と住み分けられた、と。でも『諦めろ』、という話もなかった」

●神本美恵子(参院議員)「(前略)今の話を聞いたら、9月21日に(公認候補の)数の話が出ているではないですか。言っていたことが(全員公認とは)違います。代表として、常任幹事会や両院総会で嘘を言ったのでしょうか?」

前原氏が騙したことは明らかと考えて、辞任会見で何度も聞いた。――「排除しない」と説明をしたのに翌日(29日)に小池さんが「排除する」と言った。前原代表は「力不足だった」(10月24日の会見)と説明したのですが、だったら「『排除されない』のは努力目標」と説明を最初からしなかったのか。最初からリベラル派との分党を提案して(希望と)選挙協力したほうが、はるかにいい結果になったにもかかわらず、騙し討ちをした理由は何か。民進党の人材と公認料を騙し取ったと言われても仕方がないのではないか。

●前原氏 一つの考えだと思いますし、騙し討ちをしたつもりは全くない。

【“自民補完勢力”に利用】

嘘を嘘と認めずに嘘の上塗りをする前原氏が、小池百合子代表の希望に迎え入れられようとしている。開き直りとはこのことだ。

一方で、前原氏を評価する人たちもいる。10月29日のフジテレビ系「新報道2001」で平井文夫・フジテレビ上席解説委員は、希望内部から噴出した小池代表批判に疑問を呈しながら、「総選挙後に前原代表と焼き鳥屋でやけ酒を飲んだが、前原さんは小池さんの悪口を一言も言っていなかった」と絶賛、見習うべきと持ち上げたのだ。平井氏の持論は「安倍首相と小池氏が改憲で連携するといい」で、11月5日の同番組でも「希望の党は、立憲民主に寄るより、自民党に寄った方が存在意義が発揮できるのでは」と述べた。

“安倍政権倒す倒す詐欺”で共謀した小池氏と前原氏の責任追及を曖昧にしたまま、嘘つきコンビが密室談義で産み落とした「希望」を擁護する狙いは明らかだ。維新と同じような安倍政権補完勢力として利用しようということだ。

(横田一・ジャーナリスト、11月10日号)

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