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選挙期間中にも相次いだモリカケ疑惑への刑事告発

「告発は国民の怒り」と訴える原告と弁護人ら=10月16日、司法記者クラブ。(撮影/片岡伸行)

国会の冒頭解散で疑惑がウヤムヤにされる。事実解明のためにはもはや刑事告発しかない――。大阪府豊中市の国有地を8億1900万円“値引き”し、安倍晋三首相・昭恵夫妻と関係のあった森友学園(大阪市)に売却した問題で、「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」有志103人は10月16
日、売却に関わった当時の近畿財務局国有財産統括管理官・池田靖氏と、財務省理財局長(当時)として「記録は廃棄した」などと国会答弁した佐川宣寿氏(現・国税庁長官)の2人をそれぞれ背任罪、証拠隠滅罪に当たるとして、東京地検に刑事告発した。

告発状提出後、「市民の会」の醍醐聰・東京大学名誉教授、池住義憲・元立教大学特任教授、児童文学作家の佐々木江利子さん、元NHKディレクターの根本仁さんら原告と代理人が東京・霞ヶ関の東京地裁内・司法記者クラブで会見。「すでに先行して2件の刑事告発があるが、その後、新たな事実が明らかになった」とし、「2016年3月から5月とされる音声記録では、池田氏と思われる人物が『理事長がおっしゃるゼロ円に近い金額まで、私はできるだけ努力する作業を、今やっています』と発言。これほど明確な背任はない」と指摘。また、佐川氏は「事前に価格を提示したことはない」「(パソコンデータは)自動的に消去され、復元できない」などと答弁したが、「その後、理財局次長が『自動消去システムはない』と訂正、麻生太郎財務大臣も『データの廃棄・消去を延期している』と発言。佐川氏の答弁は虚偽で証拠隠滅に当たる」とし、「原告は103人だが、背後に多くの国民の怒りがある」と訴えた。

同日はまた、「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦氏が、「腹心の友」加計学園獣医学部新設を認定した安倍首相を「詐欺幇助」の疑いで山口地検に告発状を提出した。

(片岡伸行・編集部、10月20日号)

憲法学者、9条改憲案に警鐘 「徴兵制合憲化につながる」

約7500の地域・職場の組織がある「九条の会」の全国交流討論集会が10月8日、東京都内で開かれた。今回の衆院選が「安倍9条改憲に道を開くのか阻むのかを決める重要な機会」との認識を共有。会として参加する「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の3000万署名への取り組みを強めることも確認した。

九条の会は衆院選へ向け、10月5日に声明を発表。安倍晋三首相が今回の選挙を「強行のメドが危うくなった憲法『改正』実行のお墨付きを得る好機と位置づけた」と捉えた上で、(1)自民党が改憲を旗印に選挙を戦うのは結党以来初めてで容易ならぬ事態、(2)自民・公明が後退しても、希望の党や日本維新の会などと合わせて改憲勢力が3分の2を占める危険が高まった、と分析している。

集会で小森陽一事務局長は「9条改憲が戦後の選挙で初めて争点になる。私たちの根幹に関わる決定的な選挙だ」と力を込めた。

世話人の山内敏弘・一橋大学名誉教授(憲法)は、自衛隊を9条に明記するとの安倍首相の改憲案の問題点を解説し、徴兵制の合憲化につながると警鐘を
鳴らした。

「従来は13条の『公共の福祉』に適合しないことや18条の『苦役』に当たることを理由に違憲とされていた。しかし、9条に明記されれば自衛隊は『憲法的な公共性』を持ち、国民に兵役が強制されたり協力が義務になったりする」

山内氏は、衆院選や全国市民アクションの署名集めに絡めて、こうした危機感を若い世代にアピールするよう提唱した。

各地の参加者からは「選挙中も署名活動を続けることが大事だ」との呼びかけがあり、「独自に作ったチラシやパンフレットの配布とリンクさせ署名を集める」「老人ホームに会員を広げ80代が活躍している」「大相撲やサッカーの
試合の日に現地で街頭署名をしている」といった活動が報告された。

(小石勝朗・ジャーナリスト、10月20日号)