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ネット右翼と創価学会は同根の反知性(佐高信)

2017年10月14日2:57PM

狂信者たちへの手紙

今度、本誌での緊急対談を中心にまとめた『自民党に天罰を! 公明党に仏罰を!』(七つ森書館)を出しました。

これでまた、私の本を出してくれる出版社への非難電話や突然の押しかけ訪問がふえるのかもしれません。

七つ森書館へ先日かかってきた電話は、男性からで、
「お前のところは共産党の本ばかり出して!」
に始まり、
「安倍首相みたいな、いい男がやっと現れると、サタカのような連中が寄ってたかって、つぶそうとする」
と続けたとか。

多分、このネット右翼系思考の人にとっては、同じく緊急対談集の『バカな首相は敵より怖い』(七つ森書館)という題名がとんでもなかったのでしょう。

別の版元には、メガネをかけた中年の女性が突然やって来て、私に監視され、ストーカー行為を受けていると訴えたそうです。

それにしても、聞いたこともない女性に、どうして私がストーカー行為を働くことができるのでしょうか。

編集担当者が尋ねたら、名前を言い、別れたダンナが創価学会員だと答えたとのこと。

その情報が本当かどうかわからないがそれにしても、ネット右翼と創価学会員には、狂信性と押しつけがましさという点で共通性がある、と私は思います。

「純粋を振りかざす」谷川佳樹副会長ら

たとえば創価学会の現副会長で次期会長といわれる谷川佳樹氏は青年部長時代に宗教学者の島田裕巳さんのインタビューを受けて、こう語っています。

谷川氏は創価高校から東大文二(経済)に進んで、すぐに信心をしているメンバーでつくっているサークルに入り、活動を始めたのだそうです。

「当時、(学会の)学生部には『立宗宣言』といって、自分が学会員であることを公の前で公表せよという、一種のルールのようなものがありました。僕はクラス・オリエンテーションで、『私は創価学園の出身です。創価学園は、創価学会の第三代会長の池田大作先生が作った学校です。私は学会員です。これからクラス全員を折伏させていただきます』とやったんですよ。それで、その日のうちに『法華』というあだ名がつきました(笑)」

そう語る谷川氏は駒場寮に住んでいて、日曜日になると、『聖教新聞』の啓蒙用紙を持って全部屋を回ったとか。

「自分の信仰について、迷いみたいなものはなかったんですか?」
と島田さんが問いかけても「やめようと思ったことはない」と答えています。

しかし、これは生き方の押しつけではないでしょうか。最も押しつけてはならないものを押しつけているようにしか私には思えません。それはむしろ、確信のなさ、あるいは自信のなさがもたらすものでしょう。

拙著『面々授受』(岩波現代文庫)で紹介したのですが、『荷車の歌』の作者、山代巴(やましろ ともえ)さんは、共産党員の夫、山代吉宗さんに、運動の堕落した幹部、つまりダラ幹について、
「いくらこちらの純粋を振りかざしても、ダラ幹は追放できんよ。純粋を振りかざすのも一種の押し売りだからな。押し売りでは人の心は変わらんよ」
と言われたと告白しています。そして、さらに、
「ダラ幹もいやな奴らだが、純粋を振りかざす奴もキザな奴等に違いないね」
とダメを押されたというのです。若き日の谷川氏も現在の谷川氏も「純粋」な人間だとは私は思いませんが、「純粋を振りかざす」人間ではあるでしょう。それは反知性に近いのではありませんか。

(さたか まこと・『週刊金曜日』編集委員、9月15日号)

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