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警視庁機動隊の沖縄派遣訴訟 失笑買う都側の主張

東京都を管轄する警視庁機動隊の沖縄派遣は違法な公金支出に当たるとして、都民約180人が、被告・東京都知事に対し、派遣中の隊員の給与など約2億8000万円を支払うよう警視総監に請求することを求めた住民訴訟。第3回口頭弁論が9月20日、東京地裁(古田孝夫裁判長)で開かれ、警視総監をかばうあまり「給与を支払ったのは給与課長」と主張した都側に法廷内で失笑が漏れた。

警視庁機動隊員140人は都公安委員会の決定で2016年7月19日から約5カ月間にわたり、沖縄県東高江村で建設中の米軍ヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)の周辺警備のために派遣された。原告側は、高江ヘリパッド建設自体が違法で、派遣決定前に警察庁が全国6都府県警察本部に通知した手続きも違法、派遣された隊員による現地での警備行動にも違法行為があったとして、隊員に支給された公金の支払い権者である警視総監に損害賠償を求めている。

ところが、同日の口頭弁論で被告側は「支出決定は警視庁給与課長」で「支出したのは会計管理者と給与取扱者」などと実務者の職名のみを列挙し、警視総監の責任回避を図る準備書面を提出。これに対し原告代理人は、給与支払い権者が任免権者である警視総監であることは当然で、それを「答弁書で認めていながら否定するのはおかしい」と指摘。古田裁判長も「給与支払い権者は警視総監ではないのですか?」などと質問すると、被告側は小声で「検討します」と答えた。同日の弁論で古田裁判長が来年3月の第6回口頭弁論の期日まで決めたことから、同訴訟は今後、本格的な論戦が展開される見通しになった。

終了後の報告集会で原告の1人は「都は誠意がない。民主的な手続きを歪め、他府県から機動隊を派遣し弾圧するような社会を次代へ引き継いではいけない」と感想を述べていた。

(片岡伸行・編集部、9月29日号)