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アスベスト(石綿)法規制は「ザル」 兵庫県西宮市でシンポ

9月16日に開かれたアスベストのシンポで発言する斎籐宏さん(左端)。(撮影/粟野仁雄)

兵庫県西宮市の旧夙川短期大学が10棟の校舎解体の際にアスベストがまき散らされ健康不安に陥った、と周辺住民が解体業者や西宮市を相手に訴訟を起こした中、9月16日、「身近に潜むアスベスト」が同市夙川公民館で開かれた。

中皮腫・じん肺・アスベストセンターの永倉冬史事務局長がアスベストの基礎知識などを紹介し、原告の1人、大島賛都さんが西宮市の対応を例に「アスベストなし、とすれば役所は調査もせず受理してくれ工事を続けられる」「目視検査だけなので隠せばわからないし、内装材を撤去してしまえば何も言われない」など、法規制が「ザル」であることを明かした。

また、2012年に中皮腫で亡くなった直木賞作家の藤本義一氏の長女中田有子さんは「阪神・淡路大震災のボランティア活動時にアスベストを吸ったようですが、父が育った堺市の住宅の近くにあったアスベスト関連の工場や、働いていた宝塚市の映画スタジオの建材などが原因かもしれない」と、原因究明の難しさも紹介した。

「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」前会長の古川和子さんは「(アスベスト被害を急浮上させた)“クボタショック”(05年)の時、会見で早川義一さん(旧久保田鉄工周辺住民・11年死去)は

『アスベスト公害のよーいドンの号砲が鳴った』と訴えた。この言葉を胸に(アスベストから)身を守る方法を学び考えたい」と訴えた。

「エタニットによるアスベスト被害を考える会」の斎藤宏代表は、さいたま市の商店街での吹き付けアスベストの落下事例を紹介、「老朽化によるアスベストの自然落下についてはまったく対策法がない」と指摘した。

シンポでは「入札制でない方法できちっとした解体業者を選べるようにできないのか」「放射線測定の線量計のように空中アスベストを測れないのか」など活発な質問が出ていた。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、9月29日号)