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戦争加害展示の撤去理由文書を非公開にした大阪市、高裁で逆転敗訴

2017年9月29日5:39PM

勝訴の旗を掲げる竹本昇さん(右から3番目)ら。(提供/「ピースおおさか」の危機を考える連絡会)

大阪国際平和センター「ピースおおさか」(大阪市中央区)が戦争の加害展示を撤去した改装をめぐり、大阪市が展示内容の変更を示す文書を非公開にしたことで精神的苦痛を受けたとして、市民団体「『ピースおおさか』の危機を考える連絡会」の竹本昇さん(67歳)が160万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9月1日、大阪高裁であった。佐村浩之裁判長は請求棄却の一審・大阪地裁判決を覆し、「非公開決定は違法」として市に5万円の賠償を命じた。

判決などによると、ピースおおさかは大阪府・市が財団法人を設立して1991年に開館。戦争を被害と加害の両面から捉える必要性から「南京大虐殺」「朝鮮人強制連行」など加害の歴史にも力を入れた。ところが2011年の統一地方選挙で「大阪維新の会」が躍進すると「自虐的だ」との非難を強め、橋下徹知事(当時)が府議会で廃館を示唆。13年4月に加害展示を見直すリニューアル構想が発表され、市民団体などが抗議行動を展開。竹本さんは15年1月、展示変更を示す文書の公開を市に求めたが非公開決定が出された。ピースおおさかは同年4月、リニューアルオープンした。

判決は、非公開文書は「それ自体秘密性を有するものとはいえない」とし、市の情報公開条例が規定する非公開情報には該当しないと判断。「公開すれば市民団体の批判などへの対応に追われ、改装に向けた準備業務に支障が生じる」との市の主張には、「強い公共的性格を有し、意見や批判などを受けないように取り計らうのは正当ではない」として退けた。

判決について、竹本さんは「加害展示撤去の手続きの違法性が認定され、市民の知る権利を奪おうとした不当なものであることが明らかになった」と評価。大阪市は上告を検討している。

竹本さんは市のほかに府、運営財団とも同様の訴訟を起こしているが、いずれも一審は敗訴して大阪高裁で審理中。府相手の控訴審判決は11月30日。

(平野次郎・フリーライター、9月15日号)

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