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“カメレオン百合子”とコウモリ党(佐高信)

前略 小池百合子殿

関東大震災の際の朝鮮人虐殺を追悼する式典に、都知事のあなたが追悼文を送ることをやめたと知って、いよいよメスのタカの本領発揮だなと思いました。何せ、「日本会議」ですものね。同じく防衛大臣を経験したあなたと稲田朋美に考え方の違いはないのでしょう。

特に女性たちにあなたに期待する人が多いようですが、私の分類では、あなたは女性知事ではなく女装知事です。その第1号は元大阪府知事の太田房江でした。太田が府知事になった時、『毎日新聞』の大阪本社版で日本婦人有権者同盟の紀平悌子が「男性支配の官僚組織にまみれず、女性特有の潔癖さを持ち続けてほしい」と期待の弁を寄せ、法政大学教授(当時)の田嶋陽子も「横山(ノック)前知事の強制わいせつ事件の後だけに『女性に知事をやらせよう』と選択した大阪人の心意気を感じる」と語っていることに私は強い違和感を覚え、「太田さんは、特定の宗教団体の支援や“強姦発言”をした衆議院議員(西村眞悟)が所属する政党の推薦を受けて当選した。そういう意味ではカムフラージュとしての女性でしかない。女装した知事だ」とコメントしました。

西村に応援されて平気な太田に、どうして「女性特有の潔癖さ」が求められるのか、また、強制わいせつ事件を払拭するような「心意気」が感じられるのか、私にはまったくわからなかったからです。

「日本会議」的要素をこれから強めていく

女装知事第2号のあなたを見ていて私はカメレオンを連想します。『広辞苑』によればカメレオンは「体色を変えることで著名。眼は大きく、左右独立に動き、別々のものを見る」とか。「長い舌を持ち、これを伸ばして昆虫などを捕食」ともありますが、あなたにそっくりで、“カメレオン百合子”というニックネームを進呈したくなりました。

細川護煕、小沢一郎、小泉純一郎と、その時々の権力者を捕食して、あなたは生き延びてきたわけですが、策士といわれた松野頼三が、首相になる前の竹下登をこう評しています。

「あの人は、いわば水みたいな人だろうね。だから、佐藤栄作という器のときには佐藤の色になり切り、田中角栄のときは田中になり切り、田中角栄の性格、趣味、カネを敏感に映す鏡のような人だ。むろん、中曽根康弘のときは中曽根の器になり切る」

いわば無原則に見えるあなたがとても大事にしているのが公明党ならぬコウモリ党との連携です。拙著『自民党と創価学会』(集英社新書)にも引きましたが、ほぼ50年前に藤原弘達は『創価学会を斬る』(日新報道)で次のように危惧しました。

「(公明党が)自民党と連立政権を組んだとき、ちょうどナチス・ヒトラーが出た時の形と非常によく似て、自民党という政党の中にある右翼ファシズム的要素、公明党の中における宗教的ファナティックな要素、この両者の間に奇妙な癒着関係ができ、保守独裁体制を安定化する機能を果たしながら、同時にこれを強力にファッショ的傾向にもっていく起爆剤的役割として働く可能性も非常に多くもっている。そうなったときには日本の議会政治、民主政治もまさにアウトになる。そうなってからでは遅い、ということを私は現在の段階において敢えていう。それがこれだけ厳しく創価学会・公明党を斬らざるをえない問題意識なのである」

あなたの中にある「日本会議」的要素が「自民党という政党の中にある右翼ファシズム的要素」でしょう。カメレオンのあなたは、これから、その色を強めていくわけですね。

(さたか まこと・『週刊金曜日』編集委員、9月8日号、一部敬称略)

Jリーグ京都サンガの新スタジアム建設に巨額の税金支出 住民が府を提訴

サッカーJリーグの京都サンガの本拠地として、京都府が亀岡市に建設を予定している球技専用スタジアム「京都スタジアム(仮称)」について8月31日、亀岡市民(高向吉郎氏ら14人)が、「費用対効果の算出方法に誤りがある。公金の違法支出」などとして、京都府(山田啓二知事)を京都地裁に提訴した。

スタジアム計画はJR亀岡駅の北側の遊休地に建設されるもので、観客席が2万1610席の大型施設。総事業費は167億円。府の負担分は147億円で予算化された。立候補していた5市町から府が亀岡市を選んでいた。建設に対して住民らが6月に監査請求したが8月に入って府の監査委が請求を棄却していた。

訴状によれば(1)京都サンガの1試合当たりの入場者を1万人と見積もっているがJ2に降格した2011年からの平均動員数は5000人から7000人しかない。見積もりは根拠がなく過大(2)スタジアムは大規模公園ではないのに、国交省の「大規模公園費用対効果分析手法マニュアル」をスタジアム建設に適用するのは地方自治法に違反する(3)世界でも岡山県の旭川水系、吉井川水系と京都府の桂川水系にしかいない天然記念物で絶滅危惧種の淡水魚アユモドキの生息に工事が悪影響を与え文化財保護法などに違反する、などとしている。府は「スタジアムが新しくなれば集客効果が出る。アユモドキを保護する対策は専門家の会議で了承された」と反論している。

原告代表の高向氏は「市民憩いの場である大規模公園に適用する分析マニュアルを、ほとんどプロが使うだけのスタジアムに適用し、巨額の税金を支出するのは不当」と話す。原告らは亀岡市に用地取得費の支出差し止めを求めた住民監査請求も棄却され、新たに同市を提訴する予定。亀岡市の人口は9万人に満たない。東京五輪に便乗し、「そこのけスポーツ様が通る」のスポーツ公共事業に歯止めをかけたい。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、9月15日号)