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モザンビーグ政府、国際会議参加予定だったNGO職員へのビザ発給拒否

8月24日と25日、アフリカのモザンビークでTICAD(アフリカ開発会議)閣僚会議が開催される。TICADはアフリカの開発をテーマとする国際会議で、1993年以降に日本政府が主導し、国連やアフリカ連合委員会、世界銀行と共同で開催している。

今回の会議には河野太郎外務大臣が参加するが、派遣団メンバーとして外務省に登録された渡辺直子さんに対し、駐日モザンビーク大使館はビザ発給を拒否した。

渡辺さんはNPO法人「日本国際ボランティアセンター」(JVC)の南アフリカ事業担当として、長年HIV陽性者支援に携わり、モザンビークでもJICA(国際協力機構)のODA事業「プロサバンナ」計画について現地農民と共に調査と提言活動を行なってきた。

同計画は、同国の北部約1400万ヘクタールを農業開発し農産物輸出を目指すものだが、渡辺さんらは、計画には農民の参画がない、つまり受益者が不明であり、同時に、多くの農民の土地が収奪されることを指摘してきた。

現地農民も数回にわたり来日し、外務省やJICAに計画見直しを訴え、今年4月には農民団体の代表11人が、政府からの弾圧や脅しを怖れ、匿名で計画への異議申立を行なった。JICAの環境社会配慮ガイドラインにJICAが組織的違反をしていると訴えたのだ。

この申立には、今後の文献調査と現地調査を経て、11月までにJICA理事長に答申が提出される。

渡辺さんへのビザ発給拒否について、駐日モザンビーク大使館は「理由は開示はできない」と表明するが、渡辺さんは「TICADで市民社会がプロサバンナ計画に声をあげるのを阻止したいのが狙いなのでしょう」と推測する。

JVCは、ビザ発給拒否について、外務省がモザンビーク政府の責任を追及しないことを指摘する。TICADでは発足当初から市民団体の自由な討議が尊重されてきただけに、極めて残念な事態だ。

(樫田秀樹・ジャーナリスト、8月25日号)