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小学4年生に憲法9条を教える前に自衛隊を学ばせる文部科学省

文部科学省による、自衛隊についての肯定的な教え込みが、小学生の早い段階から進んでいる。

文科省が法的拘束力ありとする学習指導要領(以下、指導要領)の参考資料にすぎない『小学校指導要領解説 社会編』(6月公表。以下、『解説』)で、4年生の段階から、「自衛隊」は「わが国の平和と安全を守ることを任務とする」と記述。市民らが社民党の福島みずほ参院議員を通じ根拠を問うた質問書に、同省は7月28日と8月8日の回答書で、「自衛隊法第3条第1項に基づく」とした。

小学校社会科の指導要領は従来、〈3年で市区町村→4年で都道府県→5年で国土の様子と国民生活→6年で国の政治の働き〉などと、発達段階に配慮し教える構造になっており、自衛隊の軍事(防衛)面は、中学3年で憲法第9条との関係を含め、初めて学ぶ。

質問書では、「(日本国憲法第9条を学ばない)小4から自衛隊の軍事面を、政府見解や政権政党の政策に沿い肯定的にだけ教え込むのは、発達段階への配慮を欠くし、改定教育基本法第14条の政治的中立性に違反する」などと質した。だが文科省は、指導要領や『解説』、自衛隊法の条文を載せるだけで、正面からの回答を避けた。

文科省は3月31日“官報告示”した改訂小学校指導要領4年社会の「自然災害から人々を守る活動」で、県庁・市役所とともに「国の機関」として自衛隊を明示し、「取り上げる」よう求めたが、この原案などに関し3月15日まで公募していたパブリック・コメントで、「自衛隊の主任務である国の防衛についての教育も充実されたい」という意見があったことを、『解説』での前掲記述の理由にあげる。

しかし、文科省が3月31日、ホームページに掲載した「パブコメ結果」一覧の自衛隊に係る「意見内容」の欄は、前掲を含む賛成・推進の意見だけ掲載。市民らは「周辺だけでも10人ほどが反対意見を送付しており、反対意見を追記すべき」と質したが、同省は「行政手続法に基づ」くとするのみ。また、「賛否の数の集計は行なわないこととしている」と説明する。

市民らは、「安倍首相が謀む憲法“改正”の国民投票が仮に政治日程に上った時、“賛成”にマルを付ける若者を“量産”することになりかねない」と文科省を批判する。

(永野厚男・教育ジャーナリスト、8月18日号)