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NTT西日本グループ企業が韓国人の外国語通訳者を“偽装派遣”か

電話での通訳翻訳業務をする契約社員として採用されたのに派遣社員として扱われ雇い止め(解雇)になったとして、韓国人の盧相永さん(47歳)が採用先のNTTマーケティングアクト(大阪市)を相手に、労働契約上の地位確認と300万円の慰謝料などを求めて大阪地裁に提訴。第2回口頭弁論が7月7日に同地裁で開かれ、被告側が準備書面による陳述で反論した。

原告の盧さんは1991年に来日したニューカマーで現在は大阪外語専門学校の非常勤講師をしている。被告はNTT西日本の子会社としてコールセンター業務を展開するなかで、企業や自治体向けに英語、中国語、韓国語の通訳翻訳サービスを提供する多言語センターを運営する。

訴状によると、盧さんは2015年11月ごろ、多言語センターで韓国語を担当する知人の韓国人から求人の情報を聞き、16年2月に同社の採用試験を受けた。その日のうちに知人から電話で合格を知らされた。約1週間後、指示された大阪市内のマンパワーグループへ行くと、3カ月ごとの有期契約であることなどを告げられた。3月から多言語センターで勤務を始めたが、マンパワーが大手人材派遣会社であることを知り、多言語センターの上司に問い合わせると派遣社員であると言われた。盧さんは勤務を続けながら大阪電気通信産業合同労働組合に加入して直接雇用を求めたが、17年1月になってマンパワーから3月末で契約を打ち切るとの雇い止め通告を受け、3月に提訴した。

原告側は「労働契約による直接雇用が成立し、派遣は偽装にすぎない」と主張。被告側は「採用決定通知をした事実はなく、労働者派遣契約による就労だ」と反論している。裁判に踏み切った理由について、盧さんは「ニューカマーは在日と比べてもより悪い権利状況に置かれ、就労形態が不明朗なまま解雇されても泣き寝入りするしかなかった」と話す。

(平野次郎・フリーライター、7月14日号)